中学受験、「危ない学校と良い学校」の見極め方 良い伝統校は学校文化を残しつつ変化していく
また、通学時間の長さはどの程度考慮すべきなのだろうか。
「2時間の通学を考える家庭もありますが、私は時間がもったいないと思います。電車に乗っている時間を読書に充てられればいいですが、電車の中で中高生を見ると大体がスマホを見ています。女子学院では通学に90分以上かかってしまう受験生の出願ができません。健康や学習への影響を考慮していると、同校のウェブサイトに書かれています。
また大きな地震などの非常事態を考慮に入れると学校と家の遠さはネックになります。個人的には、自宅を出てから1時間半以上の通学はつらいと思います」
情報過多で不安に
志望校を実際に見に行きたくても、ここ数年コロナ禍の影響で学校説明会や見学会の人数制限が厳しく、予約が難しい状況がある。それを補うためにSNSで情報収集をする保護者が増えていることについて、矢野さんは「中学受験の情報過多は保護者を不安に陥らせてしまう危険性をはらんでいるのではないか」と懸念している。
「発信者が中学受験の経験者であったとしても、その方のお子さんという限られた範囲内でしか話ができません。そのアドバイスが普遍性を持つとは考えにくいです。匿名でアドバイスを行う私の『同業者』の情報が信頼に足るものなのかについても怪しいと思います。
情報収集するのなら、例えば書籍化されたものなど、ファクトチェックや校閲が入っている確かなものを参考にしましょう。信頼に足る情報なのかというところに関心を持って選んでいただきたいです。そしてやはり、できる限り実際に学校に足を運ぶことが大切です。
保護者は中学受験についてあまり考え込まず『わが子が勉強する→入試を受ける→合否発表がおこなわれる』というシンプルな図式で捉えてほしいと思います。情報に惑わされると不安に駆られる一方ですし、その不安は子に伝搬してしまいます」
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