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【前編】「母の愛情不足」で45歳の彼が陥った苦悩 燃え尽き症候群の裏にあった幼少期のトラウマ

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  • 植原 亮太 精神保健福祉士・公認心理師
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「教師(公務員)が生活保護を受けるなんて、笑えますよね」と、初回のカウンセリングで彼は自嘲気味に言った。

この日、彼は淡々と自分の「来歴」を語った。最後に、「いまでも消えていなくなってしまいたい。夜になって眠るときに、このまま目が覚めなければいいと、いつも思っています」と言って沈黙した。

1カ月後の2回目のカウンセリングで、私は村木さんが母親からされてきたのは虐待だったと指摘した。3回目で、虐待による心の傷が原因でうつ病(燃え尽き症候群)になったと思われ、慢性的な下痢は幼少期から続くストレスが関係しているだろうと、見解を伝えた。彼はこれらを理解した。

5回目のカウンセリングは無断キャンセル

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そして4回目に、彼と母親とのあいだには愛着関係がないことを指摘した。だから当然、生きていくこと自体が普通の何倍もの苦労であり、安心も満足も知らず、なにをやっても空虚だっただろうし、そのなかで40数年もよくがんばってきたのだから、もうがんばる必要はないのだとも、付けくわえた。

彼は表情ひとつ変えず、「そうですか」とだけ呟いた。

5回目のカウンセリングに彼はこなかった。無断キャンセルだった。1週間が過ぎ、2週間が過ぎた。そして、連絡が入った。「もう、話すことがなくなってしまいました。だからしばらく、カウンセリングはいいです」。それだけを言うと、電話は切れた。力のない声だった。

村木さんはその後どうなったのでしょうか。記事の後編:【後編】「母の愛情不足」に悩んだ45歳彼が見た光

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