千葉県の市役所「生活保護担当職員」の呆れた実態 衆人環視でのタメ口に「嘘つき」「泥棒」呼ばわり

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「この子」呼ばわりや「国からお金」うんぬんの話に驚くと同時に、タケアキさんには相談員の声がことのほか大きく聞こえた。「周りの人たちからの汚いモノでも見るような視線を感じました」。奥のほうに相談室と思われる個室が見えたので一刻も早くそちらに移りたかったが、その願いもむなしく、“衆人環視”の下で手続きは進んだ。

「無低」への転居を執拗に促された

中でも住まいの問題と車の利用をめぐってはなかなか折り合いがつかなかった。

当時タケアキさんが住んでいたのは家賃4万円の物件。一方、この自治体の住宅扶助の上限は3万7200円で2800円オーバーしていた。するとCWが無料低額宿泊所(無低)への転居を勧めてきたのだ。

私が取材する限り、数千円程度の超過であれば、生活費からのやりくりを認めるといった対応が一般的だ。そのほうが仕事も探しやすく、自立にもつながりやすい。無低の中には劣悪な環境にもかかわらず、生活保護費のほとんどを巻き上げる悪質施設も少なくない。わざわざそんなところに引っ越しをさせる意図は何なのか。そもそも生活保護法にはアパートなど居宅での保護の原則がある。

施設には入りたくないというタケアキさんに対して、執拗に転居を促すCW。見かねた同行スタッフが「施設の強要は違法ですよね」と口をはさむと、ムッとしながらもようやく引き下がったという。

一方で車の利用についてはCWは「認められない」の一点張りだった。たしかに生活保護の利用中は車の所持は原則NGだ。ただ通院・通勤に必要な場合など例外的に認められることもある。

タケアキさんは車は持っていなかったが、知り合いでもある大家の車を借りていた。通院と仕事探しに必要だったからだ。自宅から最寄り駅までは歩いて1時間近くかかる。車なしの生活は難しい。しかし、CWがこうしたタケアキさん側の事情に耳を傾けることはなく、ただ「今日から絶対に乗ったらダメですよ」と言い渡された。

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