埼玉・小川町メガソーラー、開発地で高まる懸念 経産相から厳しい勧告受けても事業実施追求

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事業者が失効を免れるためには、いくつかのハードルがある。2月28日までに系統連系工事着工申込書を電力会社に提出しなければいけないが、その際には発電設備を設置する場所の手当てが済み、その場所に農地がある場合は転用許可などの手続きが済んでいること、林地開発許可手続きを終えるなどの条件をクリアする必要がある。

昨年2月時点でのさいたま小川町メガソーラーの予想図
昨年2月時点でのさいたま小川町メガソーラーの予想図。太陽光パネルが貼られるところが黄色く塗られている(図:小川町里山クラブ”You-You“提供)
認定失効制度の周知を図る資源エネルギー庁の説明資料
認定失効制度の周知を図る資源エネルギー庁の説明資料(撮影:河野博子)

事業者による計画変更と地元リーダーらへのアピール

さいたま小川町メガソーラーの事業者は、小川エナジー合同会社(埼玉県寄居町、代表社員=株式会社サンシャインエナジー、職務執行者・加藤隆洋氏)。事業地は官ノ倉山と石尊山の一部、約86ヘクタールで、出力約3万9600kWの発電を行う。

経済産業相の勧告書の中心は、盛り土の量を約72万立方メートルとし、その約半分に当たる約35.5万立方メートルの土砂の搬入が計画されていた点について、「大量の土砂の搬入を前提とすることなく、事業区域内での切り土および盛り土による工事計画に抜本的に見直すこと」を求めた点にあった。

勧告を受け、小川エナジー合同会社は昨年11月、事業地の地元地区の区長や町議会議員らに対して説明を行った。会合は非公開で行われ、詳細は明らかではない。

① 外からの建設残土の搬入を一切中止する
② 盛り土の量が少なくなるため、パネル設置の方法を工夫し、地面に垂直に立てる架台を利用して傾斜をつけて並べる

という変更が説明された模様だ。

次ページ評価書が公示・縦覧されれば本気度が判明する
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