埼玉・小川町メガソーラー、開発地で高まる懸念 経産相から厳しい勧告受けても事業実施追求

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メガソーラー
メガソーラーをめぐる事業者と地域住民、自治体間のトラブルは全国で起きており、この行方を注視している関係者も少なくないだろう(写真:tokinoun/PIXTA)
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メガソーラーの建設計画への地域住民の反対が広がる中、「認定失効制度」が今年度末にも適用される。だが、失効期限延長などの“延命の道”も残されており、失効回避に向けて事業者は歩を進める。埼玉県小川町の「さいたま小川町メガソーラー」の事業者は昨年2月、経済産業相から抜本的な事業の見直しを求める異例の勧告を受け、計画を変更して近く説明会を開く。国の環境アセスメント手続きは最終局面を迎え、事業の行方が注目される。

失効回避に向け動く事業者

再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度のもととなっていることから「FIT法」(FITは欧州発の制度、Feed-in Tariffの略)とも呼ばれる再生可能エネルギー特別措置法(再エネ特措法)が改正されて2022年4月1日に施行され、認定失効制度がスタートした。認定を受けた事業者は一定の期間内に運転を開始しなければならないとした2017年4月1日施行の法改正に続くものだ。

制度は複雑だ。「事業を進める意思があるのに一律に失効するというのは、まあさすがにやりすぎだろうということで、失効の期限までに電力会社の系統につなぎますという『系統への着工申し込み(系統連系工事着工申込書)』を出し、受領された場合は、期限を延長する」(資源エネルギー庁)という仕組みをはじめ、“延命措置”が設けられている。

さいたま小川町メガソーラーの場合、事業者が何もしなければ、3月31日に失効期限を迎え、4月1日に失効する。3月31日までに系統連系工事着工申込書を出して受領されれば、失効期限は延長される。さらに、電気事業法に基づく工事計画届け出の受領などにより、失効を免れる道も用意されている。

国の環境アセス手続きは、昨年2月に「環境アセス準備書」について経済産業相が事業者に厳しい勧告(後述)を行い、現在はこれを受けて事業者が「評価書」を作成して届け出、これを受け、経済産業省が事業者に確定通知を出す段階にあるが、1月22日時点でまだ通知されていない。確定通知の後、事業者は埼玉県の林地開発許可の手続きを行い、工事計画届け出を経済産業省に出すという運びになる。

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