日本の財政が理解できてない人に伝えたい現実

「絶対に安全だと言える根拠は何もない」

小説家の真山仁氏(右)と財務省トップの岡本薫明次官が熱く語り合いました(撮影:尾形 文繁)
日本の財政危機を描いた人気小説『オペレーションZ』。3月から始まった、草刈正雄主演での連続テレビドラマが4月19日(日)に最終回(全6回)を迎える。著者である真山仁氏が日本の財政の課題について財務省の岡本薫明次官と語る対談の第2弾。「日本の財政がわかってない人に教えたい真の姿」(2020年3月31日配信)に続く後編では、現代の財政危機はどのように起きるのかなどについて熱く語り合った(対談は2月下旬に実施)。

日本の財政赤字に厳しい目を向ける欧州諸国

真山 仁(以下、真山):リーマンショックの後に東ヨーロッパを取材したのですが、日本の財政赤字について質問され、「日本では、国内の金融機関がすべての国債を買っているから、絶対に破綻しないんだ」と胸を張って言った記憶があります。今思えば恥ずかしい話ですが(笑)。ドイツなどの欧州諸国は、日本が破綻したら自分たちもただでは済まないから、日本の財政赤字について厳しい目で見ていますね。

岡本 薫明(以下、岡本):私たちが財政再建の必要性を訴えるとき、「借金を増やすと利払い費が増え、ほかの予算支出を圧迫します」とか「民間の資金を国が取ってしまうので、クラウディングアウト(市中金利が上昇して民間の資金需要を抑制すること)が起きます」などと、財政学の教科書どおりに説明しますが、2010年代前半の欧州債務危機では、ギリシャなどで違うことが起きました。

真山:そうですね。

岡本:ギリシャの国債を金融機関が保有していて、その国債の格付けが悪化すると金融危機になってしまいました。日本もかつて金融危機になったとき、例えばりそな銀行へ2003年に約2兆円の公的資金を投入しましたが、そのとき、「この2兆円は国債発行によって調達しているが、大丈夫なのか」という話にはならなかったですね。しかしギリシャでは、財政危機によって金利が上がってしまったために国は借金をできず、結果、公的資金で金融機関を救うこともできなくなりました。

マーケットはそれを先読みして、一段と金融機関の株を売り浴びせ、追い込むというようなことが連鎖的に起きました。それがヨーロッパ中の債務危機につながってしまったわけです。先ほどおっしゃったように、確かに日本国債の多くは国内の金融機関が持っているのですが、グローバル化した経済の下での財政危機は、財政学に出てくるオーソドックスな話とは違うものになっています。

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