実は「糖質こそ健康にいい」と言える科学的な根拠 オートミールを食べても幸せホルモンは出ない

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また、幸せホルモンとして知られる「オキシトシン」の濃度も、同じ条件で測定したところ、4つの食品のなかでオートミールが最低の値でした。オートミールはほかの3つに比べて味の満足感が低く、食べても幸福感を感じにくいということがその原因だと思われます。

なお、もっともαアミラーゼの量が変化せず、オキシトシンの濃度が高かったのがフルーツグラノーラでした。

フルーツグラノーラは、製造工程でグラノーラを焼き上げており、且つフルーツを添えています。このグラノーラとフルーツの「適度な甘さ」が、オキシトシン分泌に寄与したと考えられ、さらに、焼き上げた香ばしい「香り」も寄与していると山口教授は分析しています。

フルーツグラノーラはおいしさには定評がありましたが、オートミールと比較してカロリーや糖質が高いとされ、健康志向の高い人やダイエットに励む人からは敬遠されがちでした。

しかし、「心」のヘルスケアという側面からみれば、むしろ健康的という言い方も可能です。

おいしさと健康はトレードオフではない

食品には栄養機能、おいしさなどが関係する感覚・嗜好機能、健康の維持や向上に関する機能という、3つの機能があります。

近年、3つ目の「健康機能」に注目が集まりやすくなっています。「おいしさ」は長らく、情緒的な価値と考えられていました。しかし、今回の研究結果は「おいしさ」から導き出される幸福感が、健康効果を持つという新たな側面に光を当てました。

これまで、おいしさと健康は相反するものとして、トレードオフの関係にあると考えられてきました。「おいしいけど、健康に悪い」逆に、「健康だけどおいしくない」この2つの間で揺れ動いてきたのです。

技術の進歩で、糖分や脂肪分を抑えつつも「ある程度おいしい食品」をつくることも出来るようになりましたが、どうしても限界はあります。

しかし、新たな視点から、健康の要素に「心の充足」「幸福度」も加味すれば、今までにない展開が開けてきます。フルーツグラノーラの健康的な側面を強調した販売戦略が可能になるのです。

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