実は「糖質こそ健康にいい」と言える科学的な根拠 オートミールを食べても幸せホルモンは出ない

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浴槽に噴射して洗い流すだけというこの商品は「時間や手間を減らして、でも、確かなキレイを実現」をコンセプトに掲げていました。

単に労力が減るだけではありません。

「頑張らなくてもいい」という心理的な充足や「時間的な余裕を、家族や自分のために生かす」ということまで見据えた点がウェルビーイング的な商品と言えるでしょう。

ウェルビーイングで消費者との関係性を再構築する

ウェルビーイングでは、「自分らしく生きる」ためには体と心の健康、社会との良好な関係性という3つの要素を満たす必要があるとされています。

ここで勘違いしてはいけないことは、3つの要素をすべて満たさなければウェルビーイングビジネスではないと考えることです。

私は、そのどれか1つでも満たすことに役立つならそれはウェルビーイング的なアプローチであると考えています。

一見すると時代のトレンドに合わなくなったような商品でも、3つの要素のどれか1つに光を当てれば、消費者との新しい関係を構築することができる「付加価値」がつけられます。

『ウェルビーイングビジネスの教科書』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

つまり、脂こってりの食事も甘さ濃厚なデザートも、体の健康から考えるとウェルビーイングとはいえないとしても、心が満たされたり、家族や仲間と食卓を囲んで楽しめるなら、とてもウェルビーイングな食品なのです。

もちろん、毎日体に悪い食事ばかりではいけませんが、日頃から健康に気をつけている人が、自分へのご褒美として生クリームたっぷりのパフェを食べたり、背脂の浮いたコクのあるスープのラーメンを食べたりするのは、不健康とはいえないと思います。

逆に、ストイックになりすぎて、どんなときも、我慢するほうがストレスになると思いませんか。そのスタイルのほうが、よほど体に悪いといえるでしょう。

仮にみなさんの会社が食品メーカーだとしたら、健康志向のヘルシー食品に加えて、おいしさにとことんこだわった食品を同時に提供しても、ウェルビーイングビジネスとしては成立します。その際は、「おいしさ」がウェルビーイングな視点から見て価値づけするための戦略を練ることが必要です。

ウェルビーイングとは、多様性の実現でもあります。さまざまなタイプのニーズに対して、選択肢を用意することこそ新時代の戦略です。ウェルビーイングをビジネスに生かすということは、消費者との関係性を「リデザイン」するということに、ほかならないのです。

藤田 康人 インテグレート 代表取締役CEO

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ふじた やすと / Yasuto Fujita

1964年東京都生まれ。慶應義塾大学を卒業後、味の素株式会社に入社。1997年にキシリトールを日本に初めて導入し、素材メーカーの立場からキシリトール・ブームを仕掛けた。この結果、ガムを中心とするキシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。2007年5月、広く日本企業のヘルスケア~ウェルビーイングマーケティングに寄与するべくマーケティングエージェンシー「株式会社インテグレート」を設立、代表取締役CEOに就任。現在、様々な媒体でウェルビーイングビジネスをテーマにした記事を連載し、ウェルビーイング エキスポ&カンファレンスや日本マーケティング協会などでウェルビーイングビジネスについての講演を多数行っている。

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