中国のネットサービス大手、阿里巴巴集団(アリババ)が開発・運営しているビジネス向け対話アプリ「釘釘(ディントーク)」。そのユーザー数が、2022年9月末時点で6億人を突破したことがわかった。
2022年12月28日、浙江省杭州市で開催されたカンファレンスで、釘釘の総裁(事業部門トップ)を務める叶軍氏が明らかにした。叶氏によれば、業務で釘釘を利用する企業や団体の数は2300万社以上、そのうち有料プランの日間アクティブユーザー数(DAU)は1500万社を超えたという。
「釘釘はこれから3~5年で黒字化を達成できる。この事業はソフトウェア・サービスであり、高い利益率が見込める」。財新を含むメディアの取材に応じた叶氏は、今後のビジネスの見通しに自信をのぞかせた。
アリババは主力事業である中国国内のEC(電子商取引)事業が成長の壁に突き当たり、グループ内の各事業が収益性の改善を求められている。そんななか、釘釘は2022年3月末に初の有料プランを発表。無料の「標準版」をベースに機能を強化した「専業版」「専属版」「専有版」の3プランを用意した。
オンライン会議機能は要改善
専業版は主に中小企業の利用を想定しており、利用料は年間9800元(約18万8200円)。専属版は大企業向けで、ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズに対応し、利用料は年間10万元(約192万円)からだ。専有版は政府機関や大手金融機関をターゲットに見据え、ユーザーのデータをプライベート・クラウド上で管理する。より高度なカスタマイズが可能であり、利用料は年間100万元(約1921万円)からとなっている。
有料ユーザー数を順調に伸ばしている釘釘だが、課題もある。競合アプリに比べて見劣りする機能を、早急にテコ入れすることだ。
なかでもオンライン会議機能は、ライバルの騰迅控股(テンセント)が運営する「騰迅会議(テンセント・ミーティング)」の使い勝手に及ばない。同じくテンセントのビジネス向け対話アプリ「企業微信(ウィーチャット・ワーク)」では、グループチャットの画面からダイレクトに騰迅会議を立ち上げることができる。
「われわれは釘釘のオンライン会議機能を不断に改善していく。近い将来、会議中に挙手をして発言できる機能も追加する予定だ」。叶氏はそう請け合った。
(財新記者:張而弛)
※原文の配信は2022年12月29日
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