「ダブル資格」目指すことはリスキリングに有効か 「弁護士・税理士」など複数の資格取得がブーム

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一方、資格取得にはデメリットもあります。これは単純に、資格取得に時間とお金がかかることです。

まず、資格取得に要する時間。資格の難易度や各人の出発点などによって必要時間数はまちまちですが、中小企業診断士の場合、合格には1000時間の学習が必要と言われます。1年で取得しようとすると、1日平均2.7時間です。

資格取得は、家庭生活やプライベートを犠牲にする

昼間仕事をしている会社勤務者にとって、毎日2.7時間というのは大きな負担。資格取得は、家庭生活やプライベートをかなり犠牲にします。1年だけならまだしも、ダブルライセンス、トリプルライセンスとなると、このいびつな生活が長く続くわけです。

お金も馬鹿になりません。難易度の低い資格なら、数千円の受験料だけで済みますが、価値の高い難関資格になると、資格予備校に通って数十万円の授業料を払うというのが普通です。さらに、資格取得後の維持費用も盲点です。

中小企業診断士の場合、資格は5年間有効で、その間6000円の更新研修を5回受講します。業界団体である中小企業診断協会に所属すると、年5万円の会費がかかります。その他、イベントや研究会の参加費なども合わせると、多くの中小企業診断士が年10万~20万円を支出しています。

以上紹介したメリット・デメリットは、項目はどの資格にも共通しますが、影響の大きさは資格によってかなり違います。これらを比較分析した上で、資格取得に臨むと良いでしょう。

次ページ「資格の取得が目的」の罠
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事