「ダブル資格」目指すことはリスキリングに有効か 「弁護士・税理士」など複数の資格取得がブーム
ところで、冒頭の「中小企業診断士だけでなく、もう1つ2つ資格を取得した方が良いですか」という質問に、筆者はどう答えているのでしょうか。メリット・デメリットを紹介したうえで、「中小企業診断士だけで十分です」と答えています。筆者の周りにも資格を5つ以上持っている強者が多数いますが、勉強好きが高じて大学教授に転身したSさんを除いて、あまり充実した人生を送っているように見えないからです。
資格をたくさん取る人に共通するのは、資格の取得が目的になってしまっていることです。ある資格を取ったら「次はこの資格」と常に勉強しているだけで、資格を活用することを考えていません。
資格はあくまでも「きっかけ」
資格の活用というと、資格と関連する業務に従事することだと思いがちですが、それだけではありません。活動の幅を広げ、自分を変える「きっかけ」にすることが、資格活用の本質です。
資格によって、二つのきっかけが得られます。一つは、関心を広げ、知識を深めるきっかけです。資格保有者が集まるイベントや研究会に参加することで、最先端の高度な知識や斬新な視点を得ることができます。もう一つは、繰り返しですが、人脈形成のきっかけです。
次から次へと資格を取得する人は、こうしたきっかけを台無しにしています。一方、資格をきっかけに関心を広げ、知識を深め、人脈を形成し、生まれ変わったように大活躍している人がいます。こういう人は、腰を据えて活動するために、とくに関心のある1つないし少数の資格に絞っています。
「資格はあくまでもきっかけ」と聞いて、「なんだ、その程度のものなのか」と思いましたか、それとも「よし、資格を取って人生を変えよう」と思いましたか。資格取得に挑戦し、人生を変えようという後者が多いなら幸いです。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら