暴行も発生「ブレイキングダウン」の熱狂続くワケ SNSに特化「場」をネットに生み出した巧みさ
ただし「どのような形でイベント外収益を確保するかは準備中」と内容については明かさなかった。
単純に強いだけではなく、毎回、出場するものの一度も勝利を得たことがない人気参加者もいるのがBreakingDownだ。競技性の高い選手たちと「エンタメ枠」の選手が混在してコンテンツを為すBreakingDownだけに、それぞれの参加者が持つ「自分だけのストーリー」をマネタイズできるようにする。そうしたチャンスを、運営側としても新しい収益源として育てていく。
美しい側面だけではない人間だからこそ
YUGO氏はBreakingDownの魅力を「人間讃歌」と繰り返し表現している。
「人間讃歌というと、絶望の中で頑張っている人や、かつてやんちゃだった人が社会人になって真っ当になろうとしているといった話を想像しがちですが、人間、そんなに美しい側面ばかりではありません。さまざまな感情表現や行動があり、それぞれに感情の落とし所も違う。楽しさ、悲しさ、つらさ。視聴者は参加者が見せるいろいろな側面を楽しいと感じたり、心動かされています。その中には悲劇もあれば、喜劇もある。しかし真剣に取り組んでいるからこそ、そこに心動かされる物語が生まれ、視聴者は集まってくるのだと思います」(YUGO氏)
興味を持ち、自分を表現したいと思う参加者が集まれば、その参加者の数だけ異なる物語が生まれ、より大きなエネルギーとなる。そしてその結果として生まれた映像については、それぞれ観ている人たちが価値あるいは善悪の判断をすればいい。その結果生まれた批判は甘んじて受ける、というのがYUGO氏の考えだ。
「例えばBreakingDown6記者会見で、まさお選手にイスで殴りかかってしまった久保田選手を見て、ケガに至った武器攻撃を言い訳無用でダメだと批判する声もあれば、ルールの範囲内で感情の動きを表現しようとした行為がいきすぎてしまったとかばう声もあります。運営側としてイスを使った暴力は容認しません。今後、そうしたトラブルが発生しないよう、あらためて参加者への注意喚起やルールの見直しなどをかけていきます。しかし、彼の行動そのものをどう見るかは視聴者ごとの見方や価値観で変わり、異なる感情を持つものだと思っています」(YUGO氏)
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