暴行も発生「ブレイキングダウン」の熱狂続くワケ SNSに特化「場」をネットに生み出した巧みさ
YUGO氏は「BreakingDownはいわば、大規模ネットワークゲーム(MMO RPG)のようなものなんです。運営会社としてのBreakingDownは、イベント運営やクリエイティブ、プロモーションなど各分野のプロフェッショナルが集まってできたチームです。そこに格闘技の裾野を広げたいと考えるプロデューサーの朝倉未来さんが参加し、出場者として応募したいアマチュアも集まってくれています。一定のルールを決めていますが、がんじがらめに”あれはダメ”とはしていません。ルール、枠組みの中で、参加者がそれぞれに解釈して自分を表現する行動を取り、自分自身で情報発信し、SNSの中で(運営主体とは独立して)お互いが絡んでいます。これらは運営として演出していることでも、何か制約をかけてやらせていることでもないんですよ」と話した。
暴行から傷害につながる事件も発生
格闘イベントとして、またプロからアマチュアまで幅広く参加者を公募するものの、その振る舞いや自分自身の演出などには自主性を重んじる。最低限のルールは作っても、その”行間”は広くとって参加者それぞれの解釈に幅を持たせる手法は、数々の意外性あるエピソードを生み出し、それぞれのエピソードがSNSを通じて参加者自身だけではなく、視聴者も巻き込んでの話題となって広がってバズを生み出す。
一方で冒頭に挙げたような暴行から傷害につながる事件も発生する事態が起きてしまった。
「もちろん暴力事件が起きてほしいとは思っていません。各々がモラルを持って参加すべきで、我々としても一定のルールで線引きして参加者に集まっていただいており、そのルールも毎回、細かく調整をしています」とYUGO氏が話すように、試行錯誤を繰り返しながら、エンターテインメント性とルールを逸脱した行動を防ぐルールづくりのバランスをとり続けている。
このように参加者の自主性を重んじている理由は、BreakingDownに参加する理由、あるいはインセンティブに関して自分自身で見つけてもらうというスタイルを採用しているからだ。現在は一部にファイトマネーも発生する契約選手もいるというが、基本的には自らが胸に秘める理由を持って応募している。
ここでいうインセンティブとは、自身のSNSフォロワーを増やすといった数字上のことだけではなく、現状を打破するためのきっかけ、自分を表現する場として、格闘ケージの中という極限に身を置くことを目指したい参加者自身の想いなど、それぞれに異なる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら