元うつ病経験者が幸せそうな人を見て今思うこと 「ヒーローは一握り」サブキャラで楽しく生きる

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うつ病を経験することで気づける幸せもある(写真:tokinoun/PIXTA)
日本人の幸福度が低いことは有名。国連研究機関による2022年版世界幸福度ランキングでも、日本は54位と例年通り低迷しています。『うつ病で20代全部詰んでたボクが回復するまでにやったこと』の著者であるデラさんは、うつ病からの回復を目指すためにさまざまなものを手放し、結果的に幸せを感じやすい体質になったそう。デラさんの体験談から、日本社会で生きる私たちの幸福度を上げるヒントを探ります。

うつ病を経験したら、等身大の幸せに気づけた

ボクは22歳でうつ病を発症し、5回の再発を経て現在9年目。その間、自殺未遂も離婚もしたし、投資詐欺で300万円失いました。今も薬を飲みながら、週2のバイトでなんとか暮らしています。

そう言うと、「不幸なやつだな」と思われるかもしれませんね。確かに、うつ病は想像を絶するつらさ。かからないに越したことはありません。でも、どん底から少しずつ回復に向かっている今のボクは、うつ病にかかる前のボクより実は幸せだったりします。

言い換えると、「幸せを感じられるレベル」が低くなったということ。

ボクはこれまでの人生で、程度の差こそあれいくつもの挫折を経験しています。中学の野球部ではずっとベンチ。好きな子に失恋。大学受験に失敗して希望しない学部に進学。なんとかやる気を取り戻して大学在学中に就職したベンチャー企業で、頑張りすぎてうつ病を発症……。

もともと目立つことが好きで、みんなから「すごい」「カッコいい」と言われるような「主人公」を目指していたボク。でも、この世界に生きる全員がスーパーヒーローや勇者になれるわけではありません。そこに気づかずもがいていたからこそ、等身大の幸せを感じとる心の余裕がなく、「なんでうまくいかないんだろう……」といつも悩んでいたのだと思います。

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