元うつ病経験者が幸せそうな人を見て今思うこと 「ヒーローは一握り」サブキャラで楽しく生きる

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うつ病になり、人生は一変しました。ずっと横になって過ごし、立って歩けないのでハイハイでトイレへ。日常生活の当たり前のことが当たり前にできず、文字も読めず、頭の中では常に「消えたい」という気持ちがグルグル……。

本当は就職先のベンチャー企業で輝かしい成果をあげて、将来ホリエモンやサイバーエージェントの藤田さんのようになるつもりだったのに。「悔しい」「こんなはずじゃない」と焦ったボクは、少し調子がよくなったときにすぐに週5のバイトを入れてしまい、あっという間に再発。そんなことを繰り返してきました。

自分をいっさい操作しない

自分がこれまで無意識に思っていた「自分はこうあるべきだ」「こうじゃなきゃ幸せになれない」という考えは、闘病生活の中では捨てざるを得ませんでした。だって、仕事やプライベートを充実させるどころか、トイレに行くことさえまともにできないんですから。

でも、そうした「プライド」や「欲」を捨てたことで、結果的に「人生のお荷物」を手放すことができたのです。

自分をがんじがらめにしていたプライドや欲がなくなり、ボクはものすごく自然体になりました。「疲れた」と感じたら、昔のボクは「睡眠時間を削らないとホリエモンになれない」と無理して頑張っていたけれど、今のボクなら気にせず寝ます。食べたいと思ったら食べるし、行きたくないと思ったら行かない。自分をいっさい操作しません。自分に期待もしていません。

そんな生き方を続けていると、人生がとても楽になります。100円のプリンで幸せな気持ちになったり、誰かから「ありがとう」と言われると心の底からほっこりしたり、気の合う人と話す時間が尊かったり……。些細なことに喜びを感じられる「幸せ体質」は、うつ病を経験し、すべてを手放したからこそ手に入れられたものです。

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