そんなとき、優秀なリーダーはまずこう切り出します。
「あらたまって呼んで申し訳ない。今日は君に伝えたいことがあって時間を作ってもらった。この話が終わった後、おそらく君はもっと成長して、明るい気持ちで部屋を出ると思う。それが僕の願いなんだけど、話してもいいかな?」
こう確認をとります。
おそらく部下はなんらかの不安は拭い去れないものの、「はい、お願いします」と答えるでしょう。
これこそが、いい指導をするための第一歩なのです。
そのプロセスを飛ばし、いきなり感情に任せて怒鳴り散らしたり、不安を与えたりするのではなく、まずは相手の心を軽くして、扉をひらいた後に注意するように意識するのが望ましいでしょう。
部下の指導は「聞ける態勢づくり」がすべて
部下だって子どもだって人間です。注意されるときや不利な立場に立ったとき、防衛本能が働き、とっさに身構えてしまいます。
そこをいきなり「おまえは何をやってるんだ!」と頭ごなしに言われると、反論するかは別として、心の中でファイティングポーズを取りながら、心の扉を閉じてしまいます。
こうなると、一見聞いているフリはしているものの、言葉はまったく入らなくなってしまいます。これではお互いに不毛な時間を過ごすだけ。
しかし、リーダーの本当の目的は、感情をぶつけることではありません。相手のミスを修正し、いい方向に導くことのはずです。
だからこそ、いったん冷静になって、相手の心の扉をひらくことに集中するのです。
まわりくどいし、めんどくさい作業かもしれません。しかし、優秀なリーダーはその気持ちをグッと抑えて、まずは必ず相手が話しやすいメンタルを作ります。
まったくやる気のない人は例外として、たいていの人は自分の成長に興味を持っています。
人は指導されるのが怖いのではなく、ゴールが見えない、いつまで続くかわからない不安のほうが怖いのです。
だからこそ、終わった後の状態をあらかじめ示してから注意をするのです。
もう一度言います。部下にも子どもにも感情があります。その感情を力で押さえつけようとすれば、相手は反発するだけです。
いかに自己重要感を傷つけずに大切なことを伝えるのか、おそらくこの課題はここからもリーダーたちにつきまとっていくでしょう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら