福島原発事故、ヘリ、放水車は冷却に無力、最悪な事態に備えた対応を

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冷却がうまくいかないと、事故の内容が進むにつれて水素爆発や水蒸気爆発、あるいは再臨界が起こりうると、後藤氏は警告する。再臨界とは、落ちた溶融物のなかには核分裂を進めうる燃料が残っており、それが勝手に臨界を始めるというもの。原子炉へのホウ酸の撒布が検討されているのも、この再臨界を防ぐためだ。

水素、水蒸気爆発など大規模な爆発現象が発生すれば、放射性物質が大量に飛び出し、チェルノブイリ原発事故と同じような事態を招く可能性がある。爆発を起こさなくても、徐々に放射性物質が外部に出続ける可能性があると、後藤氏は言う。いずれにしろ、深刻な事態が継続することは間違いない。

いたずらに危険を煽るのではなく、現状を把握して最悪の事態を想定したうえで対処すべきなのだが、それが行われているかはとても心許ない。それが余計に不安を煽る。

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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