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23年の百貨店業界は富裕層の購買動向がカギだ 高額商品購買に変化の兆し、インバウンドも焦点

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さまざまなリスクを勘案し、各業界のベスト・ワーストシナリオを検証。「2023年大予測」特集の産業・企業パートから抜粋。

伊勢丹新宿本店の外観
高額品消費は大都市の店舗でとくに好調だ。写真は伊勢丹新宿本店(撮影:尾形文繁)

特集「2023大予測|産業・企業編」の他の記事を読む

「これからは国内富裕層のお金の使い道が海外旅行などに変わり、高額品消費の潮目が変わるかもしれない」。ある大手百貨店の関係者は、百貨店の業績回復を牽引してきた高額品の消費動向の変化を懸念する。

新型コロナウイルスの感染拡大による営業制限で大打撃を被った百貨店業界。足元では、大都市部を地盤とする大手を中心に業績が急回復している。国内随一の集客力がある伊勢丹新宿本店(東京)の売上高は2022年4月以降、8カ月連続で2018年同月を上回っている。インバウンド(訪日外国人客)が回復途上にある中でも異例の健闘を見せている。

高額品消費の好調

牽引役は、海外の高級ブランドや宝飾品・時計、美術品などの高額品だ。物価上昇もあって中間所得層の消費回復が鈍い中、高額品を買っているのは主に国内の富裕層。しかも、百貨店の主要顧客である50代以上だけでなく、20〜40代の若年層の割合が増えているのも特徴だ。

次ページ高額品消費の減速が始まるという懸念も
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