森保監督と吉田主将が帰国会見で見せた一体感 カタールW杯で日本代表を率いた2人は何を語ったか

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森保一 吉田麻也
激戦を終えた2人の表情は晴れ晴れとしていました(写真:AP/アフロ)

12月7日夜、サッカー日本代表がワールドカップ開催地のカタールから帰国し、森保一監督と吉田麻也主将らが会見を行いました。

森保監督自身、「コメント力がない」と話していましたが、実際これまでは会見のたびに「丁寧だけど、まわりくどくて要点がわからない」「『え~』が多すぎて聞きづらい」などの声が記者からあがっていました。

失礼ながら森保監督は、「話がうまいタイプのリーダー」とは言いづらいところがあるものの、それでも帰国会見で語った言葉には、ビジネスパーソンにとって学びのあるものがあふれていたのです。

なかでも、「8カ国しかない優勝国のうちドイツ、スペインの2カ国を破る」という結果以上に特筆すべきは、人々に感動を与えた一体感のあるチーム作りの秘訣。戦い終えたばかりだからこそ森保監督と吉田主将は、一体感のあるチームを作り上げた人物らしい言葉を次々に放っていました。

日本中の人々を巻き込んだ「共闘」

まず森保監督は、「サポーターのみなさん、国民のみなさん、われわれの活動、ワールドカップでの戦いに応援、共闘していただき、ありがとうございました」と語りました。

あえて“共闘”というフレーズを使ったところに、個人の感覚より組織の一体感を重視する人柄が表れています。第三者に過ぎない人が、リーダーから「一緒に戦っていた」と言ってもらえたら、彼の組織を応援したくなりますし、その意味で“共闘”というフレーズには強いメッセージ性を感じさせられました。

続いて森保監督は、「われわれはこのワールドカップに挑むにあたり、『日本人の魂を持って、日本人の誇りを持って、日本のために戦って、日本のサッカーの価値、日本の価値を世界に認めてもらう』ことを共有しながら戦ってきました。その気持ちをサポーターのみなさん、国民のみなさんと共有しながら世界の舞台で戦えたことは非常にうれしく思っています」とコメント。サッカーチームではなく「日本を背負う」という最大レベルのやりがいを共有することで、選手たちの一体感を高めていった様子がうかがえます。

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