森保監督と吉田主将が帰国会見で見せた一体感 カタールW杯で日本代表を率いた2人は何を語ったか

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その森保監督は印象的なシーンに、クロアチア戦の終了直後をあげていました。「悔しい思いをする選手、涙している選手。そこを見ていて、ロシアワールドカップからこの大会に向けて、本当に選手たちが『ワールカップでベスト16の壁を破るんだ』という思いを強く持って戦ってくれた。そして『その目標を達成できなかった』という結果を目の当たりにしてのリアクションは本当に忘れられません」というコメントは、選手たちへの愛情にあふれていたのです。

会見中もメモを取っていた森保監督

それまで試したことさえないシステムで戦い続けたこと、引いて守る相手を崩す戦術が少なかったこと、切り札の三苫薫選手を後方のポジションで起用し続けたこと、クロアチア戦で交代枠を残してPK戦に突入したことなど、いくつかの点で森保監督の采配を疑問視する声は少なくありません。しかし、チームの一体感という点で森保監督のマネジメントを疑う人はほとんどいないでしょう。

森保監督は会見中、吉田主将や日本サッカー協会・田嶋幸三会長らの言葉を聞きながら、何度もメモを取っていました。その様子は試合中とほぼ同じであり、いまだ戦いの真っ最中にいるかのようです。森保監督は「要請があれば続投したい」という意志を示していますが、会見中にメモを取っていたのも、その視線がすでに次の目標に向かっているからではないでしょうか。

その意味で今回の会見は、今大会のメンバー26人、スタッフ、日本国民だけでなく、日本中のサッカー選手たちに向けたメッセージでもあったのかもしれません。つまり、この帰国会見の時点から森保監督は次のチームを作るうえでのマネジメントをはじめ、早くも一体感を生み出そうとしているように見えたのです。

その去就はわかりませんが、今後も森保監督と吉田主将がかかわるチームの一体感が高まることは間違いないでしょう。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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