森保監督と吉田主将が帰国会見で見せた一体感 カタールW杯で日本代表を率いた2人は何を語ったか

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さらに吉田主将は、「これから注目度が高まるので、みんなたくさんメディアに出て、露出を増やして、このサッカー人気を加速させようとお願いしたので、メディアのみなさんも若い選手たちにオファーをどしどしお待ちしております」と続けました。若い選手たちの自覚を促し、メディアに公開リクエストすることで、「現在の世間を巻き込んだ一体感を維持していこう」という思いが見えたのです。

自分は反省し、選手の責任は背負う

森保監督はPK戦のキッカー立候補制について聞かれたとき、「チームの準備を進める中で、選手目線で感じることを吉田麻也キャプテンが選手から意見を聞いて、われわれに伝えてくれる。それをいったん受け取ってわれわれが立てた戦術・戦略から選手の意見を生かして。そしてチームとしての戦い方を選手にフィードバックしていきました」と語りました。

さらに選手たちが思い切って戦えた理由として、コーチ陣が準備したトレーニングや資料などもあげていました。森保監督はそのように監督、コーチ、選手のコミュニケーションがうまくいっていたことを明かしたうえで、PK戦の立候補制に言及。「選手に責任を負わせてしまった」と反省し、「蹴ってくれた選手の勇気を称えたい」と称賛したのです。

たとえ自分たちの仕事にミスはなかったとしても、責任を負うべきところは負い、メンバーを守るべきところは守る。これはリーダーが組織の一体感を生み出すうえでの典型的なアプローチの1つです。

また、今大会はロッカールームなどにカメラが入って監督や選手の言動を見聞きできるようになっていたことについて森保監督は、「よりサッカーの素晴らしさを感じてもらうために、われわれはできる限り自然体ですべてを見ていただこうとした」ことを明かしました。ピッチ上などの表側だけでなく裏側も見てもらうことで、「選手たちが大変な努力を積み重ねていて、それが素晴らしいパフォーマンスになっているところが伝わればうれしい」と考えていたのです。

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