「猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金」とは
「今の職場は私立大学を卒業した坊ちゃん・お嬢様ばかりなので、奨学金の話をしても『まだ返していないの?』と、曇りのない瞳で言ってくるので腹が立ってしまいます。
同じ価値観を持つ同性の友達を探すのも苦労するのに、異性となると、いよいよ相手が見つかりません。周囲は医療関係者も多いので、社会人になった当初は『医者と付き合いたいな』と思っていましたが、いざ話してみると、価値観が違い過ぎて、何を言っているのかすらわかりませんでした。彼らが当たり前のように知っている文化とか価値観を、私は知らないんです」
奨学金には大きく分けて3種類ある。無利子で借りられるが、採用基準がそれなりに厳しい第一種奨学金。親が高所得でない限り申請すれば通るが、利息のかかる第二種奨学金。そして返済不要だが、採用人数は非常に少ない給付奨学金である。
今回、話を聞いた九州出身の山野祐実さん(仮名・26歳)は、第一種奨学金の中でも選ばれた者しか借りられない「猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金」(通称α型)/以下「所得連動返還型無利子奨学金」)の対象者だったという。
自身の半生を「貧乏だった」と振り返る彼女は、奨学金を借りることでどのように人生を変えたのか? そして、人生を変えた先で知ることになった苦悩の味わいとは?
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