「開発」だけに集中できる環境をつくる企業の本音 LayerXがイネーブルメント専門チームを設立
──各社のエンジニアがイネーブルメントに取り組もうとする場合、何から始めればいいと思いますか?
名村:まずは先ほどお話しした『Team Topologies』を読んでみてください。この本には、チーム間のインタラクションの方法がきれいに整理されています。
また、イネーブリングチームの話をすると「プラットホームチームとの違いは何?」という話になりやすいのですが、その疑問もこの本が解決してくれると思います。
慣れている不合理な問題に目を向け、理想系を意識する
泉:あとは、イネーブリングチームの立ち上げまでは行かなくても、エンジニア個人で生産性向上に取り組んでみたいと考えている人は、まずは「不満のしきい値を下げる」ことから始めてみるのがおすすめです。これは以前、藤原俊一郎さん(@fujiwara)がおっしゃっていた話なのですが、とても共感できる内容だったので紹介させていただきたいなと思いました。
例えば、普段開発をしている中で、慣れてしまっている不合理なことはたくさんあると思いますが、そういう問題に意識的に目を向けて「どうやったら改善できるか」を考えることで、ちょっとずつでも前に進むことができますよね。
ただ、それを片っ端から改善しようとするのではなく、あくまでもプロダクトの理想系を意識したうえで改善に取り組んでみてください。「不合理」と「理想」の両方に目を向けて現場を理解することが、課題解決のヒントになると思います。
名村:本当にそのとおりで、例えば「提案してからリリースまでの間にどのぐらいの無駄が発生しているか?」を立ち止まって考えてみることは非常に重要です。
放っておくと開発期間はどんどん伸びて、自分の感覚も麻痺していってしまいますからね。何においても「今よりももっとよくできるのでは?」という意識を持つことが大切だと思います。
ですから、この先もこのイネーブリングチームが100%満足することはないと思います。自分たちが「やりきったな!」「完全にいい組織になったな」と思ったらダメ。
課題を見逃さない目をつねに持ち続けることが、会社の可能性を広げることにつながると信じて、プロダクトチームのためにやれることを探し続けていきたいと思います。
取材・文/一本麻衣 撮影/桑原美樹 企画・編集/栗原千明(編集部)
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