「開発」だけに集中できる環境をつくる企業の本音 LayerXがイネーブルメント専門チームを設立

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──イネーブリングチームの役割とは、どのようなものでしょうか?

名村:一言で言うと、プロダクトチームがより高いパフォーマンスを発揮できるようにするために、最適な選択肢を選べる状態をつくることです。

自分はイネーブルメントの概念を『Team Topologies』という書籍で知りました。このような目的を専門的に掲げるチームの存在は聞いたことがなかったので、興味を持ったんです。

プロダクトチームのスピードや規模を考慮

──なぜ、開発組織におけるイネーブリングチームの必要性を感じたのですか?

(写真:エンジニアtype編集部)

名村:いいプロダクトを作るためには、プロダクトチームの開発スピードを落とさないことが極めて大切だからです。

しかし実際には、プロダクトチームは日々生まれる新しい技術の検討をしたり、サービスの拡大に伴い発生するさまざまな問題への対処をしたりしなくてはなりません。

こうした業務はプロダクト開発のスピードを落とすだけではなく、エンジニアのモチベーションを下げることにもつながってしまう。

でも、もしイネーブリングチームがこれらの周辺業務を担えるのであれば、プロダクトチームがプロダクト開発だけに向き合える理想的な環境をつくれるかもしれないと思いました。

──それはイネーブルメントの専門チームを新たに設立しなければ、できないことなのでしょうか?

名村:従来の開発体制でもできないことはないと思いますが、今言ったことをプロダクトチームがやろうとすると、チームの規模がどんどん大きくなってしまいます。

するとチーム内のコミュニケーションコストが増えたり意思統一が図りにくくなったりして、開発スピードは落ちる一方です。

個人的には、プロダクトチームはあまり大きくしないほうがいいと思うんですよね。10人で「こういうものを作りたい」と思ったら、10人で完結できる状態。

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