「開発」だけに集中できる環境をつくる企業の本音 LayerXがイネーブルメント専門チームを設立

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

名村:確かに「今まで悶々と抱えていた疑問を受け取ってもらえる場所ができた」と認識してもらえているかもしれないですね。その点でチームの存在は認知されつつあると思います。

(写真:エンジニアtype編集部)

名村:ただ、本当にイネーブリングチームの存在感を示せるとしたら、プロダクトチームに選ばれる技術をちゃんと提供してからだと思います。

一般的な企業には開発チームの中にプラットホームチームと呼ばれる組織があり、そこでつくられた新しいプラットホームへの乗り換えをプロダクトチームは余儀なくされることが多いです。

しかし自分たちは、プロダクトチームに強制的な技術選択を迫ることは決してしたくありません。「これを絶対に使ってください」ではなく「こういう便利なものができたので、もし使えそうなら使ってください」くらいの感じですね。

あくまでも開発の主役はプロダクトチームです。彼らが自らの意思で選択できる状態を維持しつつ、イネーブリングチームは「プロダクトチームにきちんと選んでもらえる選択肢をつくる」役割に徹することが大切なのだと思います。

これから先も現状に満足することはない

──イネーブリングチームとしての直近の目標を教えてください。

名村:「どんな人でも楽しく開発できる状態」を目指したいです。豊富な経験やスキルがないと開発に参加できない状態ではなく、どんなレベルの人でもとりあえず開発は始められるという状態を作りたいんです。

──なぜそのような状態が必要なのでしょうか?

名村:昔から優秀な人を採用するよりも、みんなが優秀に働ける環境をつくるほうがよっぽど効率的だと感じていました。

優秀と呼ばれているエンジニアを採用し続けるのは大変ですし、いくら優秀でもカルチャーマッチしなければすぐに辞めてしまう人も多い。

一方で、そこまで技術力は高くなくても、ポテンシャルとやる気があって会社のカルチャーに共感してくれるエンジニアであれば、「一定の環境」さえ整っていればパフォーマンスは出せるようになれます。

だったら、会社としてはそういう環境を用意することに力を注ぐほうが、長い目で見れば理にかなっている。そこで、経験や技術力にかかわらず「どんな人でも楽しく開発できる仕組み」をつくるためにドキュメントを用意するなど、イネーブリングチームが貢献できる部分は大いにあると思います。

次ページ会社や個人がイネーブルメントに取り組もうとする場合
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事