中国2位の半導体受託製造企業が上海に上場申請 華虹半導体、「里帰り」で約3659億円を調達へ

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華虹半導体は日中合弁のDRAMメーカーから中国資本のファウンドリーに衣替えした(写真は親会社の華虹集団のウェブサイトより)

半導体の受託製造サービス(ファウンドリー)で中国2位の華虹半導体は、上海証券取引所のハイテク企業向け新市場「科創板」への上場を申請した。同社が11月4日に提出した目論見書によれば、最大4億3400万株の新株を発行して180億元(約3659億円)を調達する計画だ。

華虹半導体の上場が年内に実現すれば、科創板における2022年最大の資金調達となるだけでなく、科創板の史上第3位の大型IPO(新規株式公開)となる。なお、第1位は2020年に上場したファウンドリー最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)の532億3000万元(約1兆819億円)、第2位は2021年に上場したバイオ医薬の百済神州(ベイジーン)の 221億6000万元(約4504億円)だった。

調達する資金の使途について、華虹半導体は125億元(約2541億円)を江蘇省無錫市での新工場建設に、20億元(約407億円)を8インチウェハーの生産ライン改良に、25億元(約508億円)を独自技術の研究開発に、10億元(約203億円)を運転資金に、それぞれ充てると説明している。

前身は日中合弁の「華虹NEC」

華虹半導体の前身は、上海市政府系の国有企業の華虹集団と日本のNECが1997年に設立した合弁会社、華虹NECだ。同社は中国で初めて8インチウェハーの生産ラインを導入し、当初は主にDRAMを生産していた。だが、当時のDRAM市場の競争激化で事業は苦戦を強いられ、2002年にファウンドリーへの業態転換に踏み切った。

その後、華虹集団の事業再編に伴い、華虹NECの経営権はオフショアの持ち株会社に移管された。そして2005年、現在の華虹半導体が香港に設立され、2014年10月には香港証券取引所に上場した。(訳注:NECは華虹半導体の持ち株を2021年2月にすべて売却した)

つまり今回の科創板への上場は、華虹半導体にとって中国本土の株式市場への「里帰り」となる。同社の董事会(取締役会に相当)は2022年3月、人民元建て株式の発行と上海証券取引所への上場計画を承認していた。

本記事は「財新」の提供記事です

華虹半導体は目下、中国国内に8インチウェハーの工場を3カ所、12インチウェハーの工場を1カ所保有しており、2022年3月末時点の4工場の月間生産能力は8インチウェハー換算で合計32万4000枚に上る。

なお、無錫市での新工場の建設計画は、今回提出された目論見書で初めて開示された。12インチウェハーの生産ラインを導入し、生産能力は月間8万3000枚、2025年の生産開始を目指している。

(財新記者: 劉沛林)
※原文の配信は11月5日

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