アメリカ政府が、中国に対する最先端の半導体や製造装置の輸出の全面規制に乗り出した。
10月7日、アメリカ商務省の産業安全保障局(BIS)が対中輸出を対象にした多数の規制措置を発表。その目的は、高性能演算チップの調達やスーパーコンピューターの開発、最先端の(微細加工技術を用いた)半導体製造などの分野で中国の能力向上を封じることにある。
BISはまず、特定の高性能演算チップやそれを搭載したコンピューター製品を商務省の輸出規制リストに追加する。この措置の対象には、アメリカ国外で製造された製品も含まれている。
半導体や製造装置を中国に輸出する企業は、その最終使用目的が中国のスーパーコンピューターの開発や、半導体製造施設での集積回路の開発・生産であることを認識した場合、BISに対して輸出許可を申請しなければならない。BISはそれを「原則不許可」の方針に則って審査する。
調査拒否すれば禁輸リストに
BISによれば、仮に他国の政府が審査を妨害するようなことがあれば、輸出先の中国企業は「エンティティーリスト」(訳注:アメリカの安全保障や外交政策上の利益に反すると判断された企業等のリスト)に登録され、アメリカ由来の技術の利用を制限される。
新規制の発表と同時に、BISは中国企業31社を「未審査リスト」に追加。これらの企業に対する調査への協力を中国政府に要請し、受け入れられない場合は正式なエンティティーリストに移すとしている。
未審査リストに追加された中国企業にとって、それにどう対処すべきかは頭の痛い難題だ。BISの調査を拒めばエンティティーリストに移される可能性が高いが、調査を受け入れれば企業の内部情報をアメリカに探られるリスクがあるからだ。
「今回の輸出規制は対象範囲が非常に広い。中国のすべてのスーパーコンピューターやデータセンターが、必要とする半導体を世界のどこからも調達できなくなる可能性がある」。アメリカ政府の規制強化の影響について、アメリカ半導体工業会(SIA)の関係者は厳しい見方を示した。
(財新記者:杜知航)
※原文の配信は10月8日
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