【前編】平気で「おせち」を買う人の超残念な盲点 「大量に添加物がここまで使われる」4大理由

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私は「市販のおせちを買ってはいけない」といっているのではありません。「おせちを作るのは大変だし、作り方がわからない」という人もいるでしょう。

市販のおせちはやっぱり「見た目」がきれいで豪華だし、さらに「〇〇料亭」というブランド価値がついているものもあります。「その雰囲気を味わいたい」というのなら、それでもOKだと思います。

また市販のおせちはどれも高価です。2万円、3万円、なかには十数万円もするものもあります。

その値段さえも「付加価値」としてとらえ、「3万円したのにこんな味?」ではなく、「3万円もした高級おせちを食べた」ということに満足感をおぼえることができるなら、それでもいいでしょう。

「ご祝儀相場」ではないですが、お正月だから「お金を使うこと自体」に価値を見出せるのかもしれません。

でも、それでもなお、私は「市販のおせち」を取り巻く現状に異論を唱えたいのです。

「日本の伝統文化」「季節行事」「ハレの食事」のはず

正月におせちをいただくのは「日本の伝統文化」です。普段バラバラの家族も、正月だけは集まってお祝い膳を囲むという人も多いことでしょう。

そこでいただく「ハレの食事」が、市販の惣菜や弁当以上に「添加物」が大量に使われていて、材料を東南アジアをはじめとした世界中から冷凍してもってきて、早いものは盆前から作って「長期間、冷凍保存」して日にちの経った「残念な味のおせち」でいいものでしょうか。

買うなら、せめて何が使われているか「原材料」「添加物」をしっかりチェックしたうえで「裏側」を知ったうえで買うという選択肢をとってほしいと思います。

また、「おせちは面倒」と思われるかもしれませんが、それも大きな誤解です。じつは「簡単に作れるおせち料理のレシピ」は、いくつもあります

「おせち料理も作れる!『魔法の調味料』は凄すぎだ」でも述べたことですが、「魔法の5つの作り置き調味料」を使った「時短おせち料理」を、私もいろいろ開発しました。

『安部ごはん』にも、作りおきのできる「これぞ万能煮豚」魚嫌いでも食べられる「香ばしブリ竜田」子どもにも好評の「紅白ゆず大根」など、「おせち料理としても使えるレシピ」を掲載しています。

おいしい「手作りおせち」
安部氏が開発した「魔法の調味料」さえあれば、簡単につくれる「おせち料理」の数々。左から「紅白ゆず大根」「万能煮豚」「ブリ竜田」。大人も子どもも喜ぶ人気の一品(撮影:佳川奈央)

これらもぜひ参考に、「全部買うか」「おせちなんてまったく食べないか」の究極の二択に走るのではなく、せっかく家族が集まる「ハレの食事」の伝統文化、季節行事なので、できれば1品でも2品でも手作りの品を加え、家族みんなで「本当においしいおせち」を食べる楽しさを実感してほしい、と「加工食品の裏側」を知る人間として強く思います。

続く【後編】では、「『有名料亭』の名を謳う商品」などを取り上げながら「添加物以外のおせちの重大問題」についても解説したいと思います。

【後編】平気で「おせち」を買う人の超残念な盲点

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安部 司 『食品の裏側』著者、一般社団法人 加工食品診断士協会 代表理事

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あべ つかさ / Tsukasa Abe

1951年、福岡県の農家に生まれる。山口大学文理学部化学科を卒業後、総合商社食品課に勤務する。退職後は、海外での食品の開発輸入や、無添加食品等の開発、伝統食品の復活に取り組んでいる。NPO熊本県有機農業研究会JAS判定員、経済産業省水質第一種公害防止管理者を務めつつ、食品製造関係工業所有権(特許)4件を取得。開発した商品は300品目以上。

2005年に上梓した『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社)は、食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、70万部を突破するベストセラーに。その他の著書に『食品の裏側2 実態編 やっぱり大好き食品添加物』(東洋経済新報社)などがある。

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