私は「市販のおせちを買ってはいけない」といっているのではありません。「おせちを作るのは大変だし、作り方がわからない」という人もいるでしょう。
市販のおせちはやっぱり「見た目」がきれいで豪華だし、さらに「〇〇料亭」というブランド価値がついているものもあります。「その雰囲気を味わいたい」というのなら、それでもOKだと思います。
また市販のおせちはどれも高価です。2万円、3万円、なかには十数万円もするものもあります。
その値段さえも「付加価値」としてとらえ、「3万円したのにこんな味?」ではなく、「3万円もした高級おせちを食べた」ということに満足感をおぼえることができるなら、それでもいいでしょう。
「ご祝儀相場」ではないですが、お正月だから「お金を使うこと自体」に価値を見出せるのかもしれません。
でも、それでもなお、私は「市販のおせち」を取り巻く現状に異論を唱えたいのです。
「日本の伝統文化」「季節行事」「ハレの食事」のはず
正月におせちをいただくのは「日本の伝統文化」です。普段バラバラの家族も、正月だけは集まってお祝い膳を囲むという人も多いことでしょう。
そこでいただく「ハレの食事」が、市販の惣菜や弁当以上に「添加物」が大量に使われていて、材料を東南アジアをはじめとした世界中から冷凍してもってきて、早いものは盆前から作って「長期間、冷凍保存」して日にちの経った「残念な味のおせち」でいいものでしょうか。
買うなら、せめて何が使われているか「原材料」「添加物」をしっかりチェックしたうえで「裏側」を知ったうえで買うという選択肢をとってほしいと思います。
また、「おせちは面倒」と思われるかもしれませんが、それも大きな誤解です。じつは「簡単に作れるおせち料理のレシピ」は、いくつもあります。
「おせち料理も作れる!『魔法の調味料』は凄すぎだ」でも述べたことですが、「魔法の5つの作り置き調味料」を使った「時短おせち料理」を、私もいろいろ開発しました。
『安部ごはん』にも、作りおきのできる「これぞ万能煮豚」、魚嫌いでも食べられる「香ばしブリ竜田」、子どもにも好評の「紅白ゆず大根」など、「おせち料理としても使えるレシピ」を掲載しています。
これらもぜひ参考に、「全部買うか」「おせちなんてまったく食べないか」の究極の二択に走るのではなく、せっかく家族が集まる「ハレの食事」の伝統文化、季節行事なので、できれば1品でも2品でも手作りの品を加え、家族みんなで「本当においしいおせち」を食べる楽しさを実感してほしい、と「加工食品の裏側」を知る人間として強く思います。
続く【後編】では、「『有名料亭』の名を謳う商品」などを取り上げながら「添加物以外のおせちの重大問題」についても解説したいと思います。
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