2つめの理由は「『惣菜』『お弁当』以上に、『長期保存』をしなければならないから」です。
おせちは元日に間に合うように、年内31日までに配送しなければなりません。「すみません、間に合わなかったので2日に配送します」などというわけには絶対にいきません。
このデッドラインも大切ですが、量も大量に作らなければなりません。ですから、かなり早い時期から作り始めます。
「鴨のロース」や「栗きんとん」など、日持ちするものはお盆過ぎぐらいから作り始めることもあります。海外の工場で作られて運ばれるものもあります。
早いものは「お盆過ぎ」から作り始めた結果……
すると当然ですが、食べるまでの保存期間が長くなります。
そうなると、先ほどの「冷凍変性を防ぐ」問題に加えて、「日持ちを良くする添加物」を使う必要が出てきます。
コンビニやスーパーの「お惣菜」「お弁当」とは比較にならないほど長期保存をしなければならないから、その分、添加物もたくさん使われることが多くなります。
日持ちを良くする「保存料」は消費者に嫌われるため、「日持ち向上剤」が多用されます。そのためによく使われるのは「グリシン」「酢酸ナトリウム」「pH調整剤」といった「コンビニの食品によく使われる定番の添加物」です。
さらに、「日持ち向上剤」の添加物としては、「グリセリン脂肪酸エステル」「香辛料抽出物」「キトサン」「ビタミンB1」などもよく使われます。
業者にとって悩ましいのは、「日持ち向上剤」はなかなか一発で効くものがないということです。だから「この食品にはコレとコレ」といったように、食品別にいろいろ組み合わせて使うことも多くなります。そこで、また添加物が増えます。
さらに冷凍品の場合、「各家庭で解凍してからの日持ち」も考慮に入れないといけません。
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