最後4つめの理由は「普通の『惣菜』『お弁当』以上に、『豪華さ』『華やかさ』を出す必要があるから」です。
おせちは高級食材が使われたハレの日の料理です。
フタを開けたときに「わー、すごい!」「おいしそう!」という「豪華さ」「華やかさ」が求められます。そして、この「見た目の豪華さ」は年々エスカレートというか、より重視されるようになってきているように思います。
そのためには、高級食材が使われていることはもちろん、飾り切りがされていたり、カラフルだったり、金箔があしらわれていたりするなど、「色」「つや」「形」がポイントです。
すると、ここでも大活躍するのが添加物です。
・れんこん……「漂白剤」を使って「真っ白」にする
・黒豆……「硫酸第一鉄」で「より真っ黒」にする
・栗……いったん「漂白剤」で白くしたあと「クチナシ色素」などの「着色料」で「透明感のあるキレイな黄色」にする……
といった具合です。
「れんこんはちょっと色がくすんでいるけど、これが自然の色だから」「卵は黄色が薄いけど、まあこんなものでしょ」というわけにいかないのが、おせちです。
そのために、一般の食品以上に「着色料」が大量に使われる傾向にあります。
一般的に、おせち全体では「10種類以上の着色料」が使われていることも決して少なくないのです。
詳しくは拙著『食品の裏側』『食品の裏側2』をお読みいただきたいのですが、添加物を使えば、簡単に「見た目がキレイで華やかなもの」ができます。
その意味では、おせちには市販の「総菜」「お弁当」に比べて、「着色料」も含めて、より多くの添加物が使われている可能性があります。
「無添加のおせち」にも問題はある
もちろん、市販のおせちが全部、添加物入りというわけではありません。がんばって無添加で作っているところもあります。
たとえば愛知県の「旬楽膳」など、一部のオーガニックスーパーなどでは、「食品添加物不使用、国産素材使用のおせち」を販売しています。
でも、こういったおせちは大量生産ができないし、日持ちがしません。だから、デパートやネットで大量に売りさばくことはできません。
近くにオーガニックスーパーがない人などは、ちょっと手に入りづらいのが現状だと思います。
言うまでもありませんが、おせちを家で作れば、添加物はほぼゼロです。
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