「出社」VS「リモート」格差を埋めるスゴい解決法 フルリモートでも成果を出す「新時代のチーム」

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その意味でいうと、「リアルとリモートをいかに融合していくか」というのは、フルリモートの開始を機に生まれたUX課題でした。リモートワークのメリットはすでに十分実感しつつも、リアルにはリアルのよさがある。それを享受できる環境をどうすれば社員に提供できるか、それが課題です。

無視できない「会って話すこと」の価値

たとえば、『リデザイン・ワーク 新しい働き方』でも示されているように、リアルなコミュニケーションがある場のほうが、セレンディピティが生まれやすいという見方があります。古くは「喫煙所で交わした何気ない会話からプロジェクトが生まれる」なんて言われていましたね。「その場、そのとき」に「たまたま居合わせた」ことで何かが始まるというのは、たしかにリモートワークではなかなか起こりません。

ただ、仕事の優先度としては、セレンディピティ以前に、まず自分の仕事をパフォーマンス高くこなすことが求められます。特にスタートアップ企業ではそうでしょう。われわれサマリーは社員の業務範囲や目標が明文化および管理されています。

その条件下においては、リアルなコミュニケーションによっていつ生まれるとも知れないセレンディピティよりも、リモートワークで各々の仕事に集中できることのほうに、社員の多くが大きな価値を見出しているのだと思います。

しかし、もう少し大きな視野で考えてみると、やはりリアルコミュニケーションの価値は無視すべきではないでしょう。

同じ空間にいれば、勤務中であっても、自然と世間話や身の上話をするものです。そして、たとえ社員の業務範囲が明文化、管理されているような組織でも、他愛ない会話から互いの人となりなどを知り、人間関係を構築できることの意味は大きい。当意即妙な教え合いや助け合いが格段に起こりやすく、チーム全体のパフォーマンスが上がっていくというのは確かにありうることです。

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