海外で実証、「寝る前読書」のリラックス睡眠効果 適切な本を選べば68%ものストレス軽減

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じつは「潜在意識は、現実と想像(イメージ)を区別できない」という特性を持っています。たとえば、今から目を閉じて、イメージの中で「梅干しを食べるのを想像して、口の中で噛んでみてください!」と言われたとします。実際にイメージした方は、体に反応が出たはずです。きっと、じわーっと酸っぱさを感じ、口の中に唾液が広がったと思います。

唾液が出たのは、イメージ=潜在意識は区別がつかない=体の反応として唾液が出るという現象を引き起こしたからです。

映画館で怖い映画を見たとき、実際には「それが作りモノである」とわかっているのに、心臓がドキドキしたり、冷や汗が出たり、手のひらに汗をかいたりするのはなぜでしょう?

それも「映画は作りモノ」と、脳ではわかりきっているのに、あなたの体には、実際にイメージと現実を区別できず、身体感覚として現れます。

想像でも、体は本当の生理的現象として反応してしまいます。「潜在意識は現実とイメージを区別できない」という特性がありますから、イメージを現実のように捉え、物語の中で想像したことであっても、まるで現実のように体が生理的反応を示すのです。

潜在意識が「暗示を受け入れやすい」のは夜

暗示とは、潜在意識に入り込み、行動や思考、習慣を変えていくポジティブな言葉です。主に催眠療法(ヒプノセラピー)などの心理療法で使われることが多く、催眠療法士が制作した暗示を、催眠状態下のクライアントに入れることにより、よい状況に変化させていけます。催眠療法では「暗示療法」とも呼ばれます。

暗示を受け入れやすくなるのは、人が「変性意識」に入っているときと言われています。変性という言葉の通り、変化した意識を指し、簡単に言うと催眠状態ということです。

「人は1日に14回程度、軽い潜在意識を使える状態に入っている(催眠状態)」と先述しました。普通に誰でも、自然にそのような状態になります。たとえば、夜寝る前と朝起きたときの半覚醒状態とでも言うべき「まどろみ」のボーっとしている状態です。実際の催眠療法では、専門の心理カウンセラーが、眠る前のボーっとした状態にクライアントを誘導します。

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