海外で実証、「寝る前読書」のリラックス睡眠効果 適切な本を選べば68%ものストレス軽減
催眠療法は、海外の一流大学や有名な研究者が、実際に使っています。しかも、催眠療法は眠りだけでなく、多くの現代病の疾患にも効果を出しているのです。そのほんの一例を、以下にご紹介しましょう。
・エール大学で医学博士号を取得した精神科医のブライアン・ワイス博士は、催眠療法を使用して、クライアントの心理的治療をおこなっています。
・スタンフォード大学メディカルセンターのディビット・スピーゲル医師は、乳がん治療に対して催眠療法を使用しています。
・ハーバード大学医学部では、催眠療法が神経受容体を阻害することにより、痛みや苦しみに影響を与えるという研究を発表しています。
脳科学的に、あくびをしているなど眠そうな人物や、ふわふわリラックスしている人物や動物を見ると、脳の「ミラーニューロン」が反応して、自分も眠くなってしまうことがわかっています。
ミラーニューロンとは、他人の行動を見て、自分のことのように感じる脳細胞です。まるで鏡に映ったように、自分が同じ行動や反応をすることから、そう名づけられました。
「共感回路」とも言われるミラーニューロンは、イタリアのパルマ大学のジャコーモ・リッツォラッティ教授らによって発見されました。ミラーニューロンは、見たものだけでなく、言葉などからも影響を受けます。
「幸福ホルモン」であるセロトニンが分泌される
人は幸せな気分に浸っていると、脳の幸福ホルモン(セロトニン)が分泌されます。この本を読むことで、イライラや不安、落ち込みがなくなっていきます。
よい睡眠をとれば、成長ホルモンやリラックス作用のあるメラトニンが分泌されるので、そもそものイライラや不安を感じることが少なくなります。
2009年、イギリスのサセックス大学でおこなわれた研究で、読書には顕著なリラックス効果(ストレス軽減効果)があることがわかりました。なんと、68%ものストレスを下げるそうです。
同時に、心拍数を抑える効果や、気持ちの状態を切り替える効果があることも判明しました。さらに、読書によるストレス軽減効果を、音楽鑑賞や散歩などと比較した結果も公表されましたが、やはり読書の効果は極めて高いことがわかります。
では「寝る前に読むとよい本」はどのような本なのでしょうか。結論から言うと、退屈な本です。
大阪府立大学名誉教授であり、生活健康学研究所所長でもある医学博士の清水教永先生は「続きが読みたくなる本ではなく、退屈な本が睡眠にはベスト」と言っています。私も同感です。
ミステリー小説など、冒頭から衝撃的な展開があって、その後も二転三転し、謎や事件が気になって、興奮してハラハラ、ドキドキ……。どんどんページをめくる手が止まらず、気がつけは徹夜で読み、夜更かししてしまった!
そんな経験をしている人は多いでしょう。こういう本は「眠ること」に関しては逆効果です。交感神経が活性化し、神経が興奮して、より眠れなくなります。思い出してください。
あなたが学生のころ、おもしろい場面も、怖い描写も、たとえ話の一つもない教科書を、一定の抑揚のないリズムで、ただ棒読みする先生の授業を聞いていると、ウトウトして眠くなり、寝てしまった人もいたのではないでしょうか?
伏線回収もなく、あざやかなトリックもなく、感情を強く動かす動機もなく、平坦で、最終的にはハッピーエンドで終わる物語が、眠るのに最適な本と言えます。
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