気になるのは3kgやせるための方法だが、植木さんは「過剰な食事制限は不要」という。代わりに以下の4つのことを守ってほしいと、外来で患者に伝えているそうだ。
2 間食はしない
3 おかずをしっかり摂る
4 食べる順番にこだわる
まずは、「食事で満腹感を得る」と、「間食はしない」について。
「やせるために無理なダイエットをして、1日に必要なエネルギー量が摂れなくなって筋肉量が減ってしまったり、間食をしてしまっていたりする人が大勢います。まず、普通に社会生活を送っている人であれば、食事の量を減らす必要はありません。その代わり、間食はできる限りやめてください」と植木さんは語る。
とくに菓子やジュースなどの単純糖質を間食で摂ると、糖尿病の素因がある人では急激に血糖値が上昇してしまう。植木さんが外来で診ている患者に詳しく話を聞くと、ほとんどの人が間食をしていると答えるそうだ。
「本人はそのつもりでなくても、甘い缶コーヒーなどの飲み物を飲んだりとか、口寂しくてチョコを食べていたりします。まずはそれをやめてもらいます。どうしても食べたいときは、チーズやナッツ、無糖のヨーグルトなどにするようお願いしています」
アルコールのあとの〆のラーメンや甘いものも同じような理由で避けてほしいという。
おかずから食べるのが効果的
そして、「食べるもの」「食べる順番」に対するこだわりも重要だという。とはいえ、さほど難しいものではない。
そばやうどんといった炭水化物だけの食事はできるだけやめて、定食、あるいは牛丼+サラダといった、肉や野菜などのおかずが多めで主食や麺類が少なめの食事に代えるだけだ。
そのうえで、「食べるときは、まずはおかずから。最後に主食を摂るようにしましょう」と植木さんはアドバイスする。実はこれには理由がある。
おかずから先に食べると、インクレチンという消化管ホルモンが分泌される。このインクレチンは膵臓のβ細胞を刺激して、インスリンの分泌を促す作用がある。しかも血糖値が高くなったときに発動するという特徴がある。
このため、まずはおかずから食べるのが理にかなっているのだ。
「減量で絶対やってはいけないのは、絶食系のダイエットです。食事を抜くことで筋肉が落ちて、かえって血糖値を下げにくくしてしまいます」(植木さん)
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