うそをつけない性質は、『バチェロレッテ・ジャパン』における相手とのコミュニケーションの場面にも色濃く現れていた。
普段は明るく誰にでも公平に振る舞う彼女が、参加者との会話に疑問や懸念があるときには、急な夕立のごとく表情が曇る。「どうしてそう思うの?」と相手に鋭い質問を重ねる場面は、まるで上司と部下の面談のようと評する声もあった。そうしたやりとりが、相手の長所も短所も、深さも浅さも容赦なく引き出していた。
「誰かと向き合うときには、本当の想いを教えてほしい。正直な気持ちで話してほしいと思うんです。誰でも自分を偽ると苦しいし、表面的なやりとりからは、いい人間関係は築けないと思っています」
本音で語り合うことにこだわる理由
恋人でも両親でも、仕事で出会った人でも。人間関係において、萌子さんは、心から思ったことを表現すること、伝え合うことを大切にしている。
「『バチェロレッテ・ジャパン』のときも参加者の男性たちには、限られた時間の中ではありますが、その人らしさを見たい、本心を知りたいと思っていました。
たとえば、参加者の1人牧野さんはとても感じのいい方で、結婚したいから『バチェロレッテ・ジャパン』に参加したとおっしゃっていました。“感じのいい”彼の奥にある本音の部分を知りたくて、向き合っているうちに、『実は、スーツの魅力を伝えたい』という夢を語ってくれました。視聴者の方々からみれば、唐突に思われたかもしれませんが、私にとっては、彼という人間がやっと垣間見えたうれしい瞬間で、すごく興味が湧いたんです」
本音を語り合うことにこだわるのは、彼女自身も長い間、自分の一部を隠して生きてきたからだ。幼い頃は周囲から浮かないように、日本有数の資産家である家柄を隠していた。駆け出しのモデル時代は、なかなか芽が出ず、モデルならこうあるべきと叱咤され続け、自分の意見は言わないことが日常になっていた。
元来、うそがつけない彼女にとって、それはとても苦しいことだったのだろう。だからこそ、相手にもそうしてほしくないと強く思うようになった。
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