自身を「乙女オバさん」と呼ぶ南果歩さんの真意 怖いより面白いが勝った「57歳の大冒険」

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南果歩さんが自身を「乙女オバさん」と呼ぶ真意とはーー?(写真:今祥雄)
人生100年時代と言われますが、何度、花を咲かせるかはその人次第。ときに枯れながらも種をまき、まるで四季咲きのように、新たな花を咲かせていく人たちの人生は、私たちに自分らしく生きるヒントを与えてくれます。
過去3000人以上に取材してきたインタビューの名手・芳麗さんが、多彩な生き様を描き出す新連載「何度でも開花する人」。1回目は南果歩さんです。

青山にある、光と風がよく通るテラスカフェ。俳優の南果歩さんは、ロックなTシャツにジーンズの軽やかな装いで現れた。

「あちらのパラソルの下の席だともっと気持ちいいんですよ」

風に吹かれてリラックスした表情で語る。南さんのまとう空気は明るくて朗らか。と同時に直射する太陽のような強いエネルギーも感じさせる人。

「幸せって何だろうなって思います。人生いろいろあったけど、いまだによくわからないんです(笑)。でも、今日晴れているなとか、この瞬間の風が気持ちいいとか、そんな何気ない小さなことは幸せだなって感じます」

失敗は誰かのためにもなる

南さんは、20代の頃からドラマ、映画、舞台など第一線で活躍してきた。今年は、世界同時配信のアメリカのドラマ「Pachinko パチンコ」に世界的俳優と共にメインキャストとして名を連ねた。6月6日からは野田秀樹作、杉原邦生演出と話題の舞台「パンドラの鐘」に出演。9月には中村芝翫主演の舞台「夏の夜の夢」への登板も決まるなど、50代後半を迎えて花盛りともいえる活躍ぶりだ。

芳麗さんによる新連載1回目です

 

しかし、ほんの数年前は、心身に深い痛みを負って、しばし立ち止まっていた。50代になってから、乳がん摘出手術と2度目の離婚を経験。突然の大きな困難だったというが、今、目の前にいる彼女は微塵もそれを感じさせない。

「私、過ぎたことにいつまでも固執しないところがあるんです。つらかったことも嬉しかったこともそう。

もちろん、大変なことがあった当初は思考も感情も停止して、深く落ち込んだこともありました。でも喉元過ぎれば、痛みも薄らいでいく。経験を重ねるうちに、忘れるのがうまくなったのもあるのかな(笑)」

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