1月26日、米国カリフォルニア州サンフランシスコ。日本初の民間月面探査チーム「HAKUTO(以下 ハクト)」のチームリーダーを務める袴田武史は、銀色のメダルを首にかけ、カメラの前でいつものように控えめな笑みを浮かべていた。
ハクトはアメリカのXPRIZE財団が主催し、グーグルがスポンサーを務める宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE」(以下GLXP)に参加している。レースのミッションは「民間資本で月面に探査車(ローバー)を送り込み、地球からの操作で500メートルを走行、同時に高画質な画像を地球に送信すること」。
このレースは、アメリカ、ロシア、中国などの大国が国家プロジェクトとして数千億円を投じてきた、月面探査の歴史を一変させるもので、ミッションを最初に実現したチームには、2000万ドル(約23億6000万円)が贈られる。
世界18カ国の民間グループが、しのぎを削るこのレースの中間賞の受賞者が1月26日に発表され、ハクトは月面ローバーの性能を評価する「モビリティ」部門で見事に受賞。ほかの2チームとともに賞金の50万ドル(約5900万円)を手にした。
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