「ガンダム」に安彦良和氏が描いたものとは?

「世の中のリアリティは崩せない」

(撮影:梅谷秀司)
アニメーション『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイナーとして異能ぶりを発揮。漫画家としても歴史や神話を題材に傑作を連発する。「人に言えるほど読んでない」と謙遜するが、著書のページを繰れば膨大な読書量に裏付けられていることはすぐわかる。
近年は『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』で、ファンを魅了している。2月28日から2週間限定で全国13劇場で「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル」が公開されるのを機に、2011年に行ったインタビューを再掲したい。

 どのようにして着想を得るか

――普通の人は歴史の本を読んでもそれで終わってしまって、物語を作ろうとは思いません。どのように着想を得るのですか。

歴史的事実の中にフィクションで介入してみたら面白いかなという部分が見つかると、自分の中で何かがうごめく。それが物語を作るきっかけです。物語とは無から有を紡ぎ出すようなもの。物語作りを通して自分が歴史の流れの中に参加できるような気がする。それが心地いい。

──アイデアが浮かんでから連載を始めるまでの準備は。

もちろんいろいろ調べますが、僕らは絵を描くので、視覚的なものから入ることが多い。資料写真を眺めて、想像力が膨らんでくるのを待つ、そんなことをよくやります。

たとえば、ジャンヌ・ダルクを題材にした『ジャンヌ』の場合は、最初、ある人から依頼があったのですが、どうもそのままでは描きにくい。でも、ビジュアルの資料を見ていたら、ジャンヌが髪を短く切って、男の格好をしているのがある。それを見て彼女がモノセクシャルな危うい存在だったということを感じた。ビジュアル資料が1点あるだけでも腑に落ちるんです。

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