仕事ができる人ほどハマる「意外な時間泥棒」の罠 意欲、優秀さ、情報、活発さが「あだ」になる

仕事ができる人が持つビジネスの美徳も行きすぎると大変なことに(写真:ケイーゴ・K/PIXTA)
「いつも時間が足りない」と嘆いているビジネスパーソンは、仕事ができない人だ。そう思っていると、いつか足下を掬われるかもしれない。基本的にはビジネスの美徳とされる「意欲」「優秀さ」「情報」「活発さ」が、行きすぎると時間を奪う元凶、さらには創造性や生産性を奪う元凶になるからだ。ジュリエット・ファント著『WHITE SPACE ホワイトスペース 仕事も人生もうまくいく空白時間術』(東洋経済新報社刊/三輪美矢子訳)から、仕事ができる人ほど陥りがちな「意外な時間泥棒」の罠について紹介する。
本来はポジティブな資質のはずが…
企業、チーム、そして働く人間を前に進ませる力はおもに4つある。〈意欲〉〈優秀さ〉〈情報〉〈活発さ〉だ。この4つを私は「時間泥棒」と呼びたい。
これらの力は、本来は有益でポジティブなものながら、行きすぎるとリスクになる。〈意欲〉は〈がんばりすぎ〉になる。〈優秀さ〉は〈完璧主義〉になる。〈情報〉は〈情報過多〉に、〈活発さ〉は〈やりすぎ〉になる。こうした時間泥棒は、次のような日々の場面に現れる。
・意欲があるから、会議の招待に条件反射で応じてしまう。
・ 人より優れていたいから、プレゼンの資料に手をかけすぎてしまう。
・ 情報に通じていたいから、ダッシュボード(情報を一覧できるビジネス管理ツールの一種)やデータにのめり込んでしまう。
・ つねに何かしているべきだと感じるから、次にやることを考えもせず選んでしまう。
こうして泥棒たちは、実際には生産性を低下させる慌ただしさやプレッシャーに、私たちを誘い込む。刺激やちょっとしたごほうびを与えて忙しくさせ続けるが、本物の成功にはけっして導かない。そして「もっと動け」とそそのかし、報酬と承認のあいまいな約束を耳に吹き込む。
けれど、このペテン師たちの言葉にはうそが含まれている。
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