仕事ができる人ほどハマる「意外な時間泥棒」の罠 意欲、優秀さ、情報、活発さが「あだ」になる
優秀さをあがめる人は、この完璧主義の罠にたやすく引っかかる。私たち〈優秀さ〉の信奉者は、部署対抗ソフトボール大会の社内ポスターから最大の得意先への最終RFP(提案依頼書)まで、あらゆる仕事に同レベルの高い基準を設けたがる。
次の問いへの答えによっては、あなたもそんな私たちの仲間かもしれない。
・細部にこだわりすぎるときがあるか?
・価値の低いタスクについエネルギーを費やしすぎてしまうか?
・どれだけやれば十分かを判断するのが苦手か?
・人よりも仕事に時間をかけるほうか?
〈優秀さ〉が強みの人は、細部に対する自分の許容量(キャパ)は無限だと思い込み、人間が1日に使える〈優秀さ〉の量には限りがあることを忘れている。
例として、金貨が入った革の巾着袋を腰から下げているところを想像しよう。その小さな袋の中身が、あなたの1日ぶんの〈優秀さ〉だ。何かするたびに金貨を使っていたら、とうてい足りず、じきに空っぽになってしまう。このリソースは有限なのだ。
「情報」…情報過多が悪影響をもたらす
ニューヨーク・タイムズの平日1日の紙面には、17世紀の人が一生かけても得られなかったであろう量の情報が詰まっている。それほどの情報を取り込み、検索し調べる一方で、私たちの耳のあいだにある原始的な脳は、取り込んだ情報を仕分けしたり保存したり、優先順位をつけたりするのに四苦八苦している。
2010年にデータベース会社のレクシスネクシスがホワイトカラー1700人を調査したところ、人々は勤務時間の半分以上──つまりは本来の仕事をする時間以上──を、情報の取得や管理に費やしていることが明らかになった。知識は良いものだけれど、中毒になると、ダッシュボードやスコアボード、スプレッドシートやインターネットの底なし沼にはまってしまい、おいそれとは抜け出せなくなる。
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