45歳会社員の「学び直し」どんな可能性があるのか リスキリングとは新たなスキル習得だけではない

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

鳥取県が実施するリスキリング事業は、大きくは2つの層を対象にしている。1つは企業単位で募集をかけ、いわば研修の代行を行うもの。もう1つは求職者。スキルアップして、転職ないし就業に結びつけようということだ。

「今のところは、企業側のほうがより積極的に利用しているとみています。いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)人材の育成に特化しているわけではありませんが、実際のところはデジタル系の講座を受けている方は多いです。システム開発の会社であれば、データベースやプログラミングなど、専門スキルに近いものが多いようです。その他の業種については、売り上げ増のためのスキルを身につけるという意味でのデジタルマーケティングや、SNSの活用法、ITツールの使い方などでしょうか」

必ずしも「転職支援のための」取り組みではないが、個人の受講者では昨年度に41名の受講者のうち、21名が就・転職したという。スキルを身につけることで、働く可能性が広がった、ということなのだろう。

これまでのキャリアの中から武器を探す

一方、リスキリングを「新たなスキルを身につけること」と捉えない試みもある。

ブルーブレイズ(東京都豊島区)が提供するリスキリング・プログラム『ライフシフトラボ』は「45歳からの実践型キャリア複業スクール」と銘打って、2022年3月からスタート。多くのミドル層の支持を集めつつある。

「45歳、としたのは、『自分のキャリアの終わり』を意識する人が多数派になるのが45歳ごろ、ということからです」

ブルーブレイズ代表の都築辰弥さんは、こう説明する。「これは大手人材企業による調査結果ですが、受講者のみなさんも『キャリアの選択肢が減っている』とおっしゃいます。45歳になると、突然求人のスカウト数が減る、というのも人材業界では定説です。そんなミドル層の課題感に応えようと、この事業をスタートしました」

60日間に設定されたプログラムは、20年余りの仕事人生を振り返り、キャリアの棚卸しをして、「社外でも戦える武器」を見つけ出すことが最大の眼目になる。

次ページ「社外でも戦える武器」を持って複業を行うのがゴール
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事