「ハンバーガーといえばマック」に学ぶ最強の戦略 PRにインフルエンサーを活用、新たな工夫も

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
拡大
縮小
マーケティングによって目指すゴールは新規顧客の獲得ですが、その形にはいくつかの種類があります(写真:shima-risu/PIXTA)
「ブランド」というと、グッチやシャネル、アップル、ベンツなど、誰もが知っている、高級でエレガントな商品のことだと思われるかもしれません。しかし、実はそうではなく、安価な商品やサービスも含めて、消費者に認識されている企業、商品、サービスそのものが「ブランド」といえるのです。
近年、日本ではブランドやブランディングを意識する企業が増え始めましたが、日本企業の多くはブランドを「言葉」で伝えるばかりです。
300社以上のEC・通販企業のブランディング、マーケティング、CRM(顧客関係管理) を一気通貫で支援してきた工藤一朗氏の『ブランド・プロデュース思考』から、言葉だけでなくデザインなどの見た目、お客様と接する声や表情など、五感で感じるすべてにおいて「プロミス」を実現していくブランディングを紹介します(3回にわたって紹介。今回は第2回)。

第1回:数百万円の着物が売れる「ブランディング」の正体

マーケティングによって目指すゴールは新規顧客の獲得ですが、その形にはいくつかの種類があります。ここでは大きく分けて2つ、「フィジカル・アベイラビリティ(Physicalavailability)」と「メンタル・アベイラビリティ(Mentalavailability)」についてご説明します。

自社のマーケティングにおいて、どちらの状態を目指していくかは、戦略策定の段階で意識しておきたいことです。

「接触しやすさ」と「思い出しやすさ」

「フィジカル・アベイラビリティ」とは、直訳すると「物質的な買いやすさ」といった意味になります。

例えば、カワイイ服が欲しいと思った人がSNSを覗いたとき、タイムラインにタイミングよくファッションブランドの通販広告が表示されたり、インフルエンサーによる商品のおすすめ投稿が表示されたりといったように、すぐに身近なところに現れ、手軽に購入できる状態を指します。

そのブランドを買おうと思っていなかった顧客にも、その接点をきっかけにオンラインショップにアクセスされ、洋服を購入してもらえます。このような状態を作り出すには、実店舗やSNSでの露出を増やし、顧客とのタッチポイントを増やしていくマーケティング戦略が必要となります。

次ページメンタル・アベイラビリティとは
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
【資生堂の研究者】ファンデーションの研究開発の現場に密着
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT