「ハンバーガーといえばマック」に学ぶ最強の戦略 PRにインフルエンサーを活用、新たな工夫も

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こういった理由から、インフルエンサーの選定が重要になります。選定基準を明確にして、ブランドイメージを低下させることなく、ブランド・アイデンティティにマッチした人選をします。そうすれば、案件を依頼する際、細かな部分まで口出しをしなくても、それぞれのインフルエンサーの特徴が活かされつつ、自然な形で自社のブランドイメージも伝わっていくでしょう。

インフルエンサー・マーケティングで成功しているブランドは、「基準を明確にしてインフルエンサーを選ぶ」「細かな縛りを設けない」の2つのポイントを押さえることで、マネジメントを上手に実施しているのです。

ある企業は、社内でインフルエンサーの評価をストックしているそうです。エンゲージメント率、コメントの返答内容、フォロワーからの反応など、いくつもの項目で評価しています。これを案件ごとに毎回実施し、評価の精度を上げていくことで、より自社のブランド・アイデンティティにマッチしたインフルエンサーを絞り込んでいくわけです。

メンタル・アベイラビリティを狙う

大手や伝統的企業のブランディングは、メンタル・アベイラビリティの構築に注力する傾向があります。なぜなら、そこには新興企業にはない歴史やストーリーが、そしてブランドとしてのコンセプトや確固たるプロミスがあるためです。

ブランドのプロミスは、抽象的であったり、見方によってはきれいごとのように響いてしまったりするものもあります。歴史が浅い企業がそういったプロミスを掲げても信頼度が低いため、顧客の獲得は難しいのです。その結果、インパクト重視であったり商品の機能的な面を表現したりしたコピーで広告を出しがちです。

実際、そういった戦略をとることで広告の反応はよくなります。数種の広告を用いたABテストをすると、とがった表現の広告は選ばれやすいのです。そのためクリック率だけを見て判断していくと、インパクト重視の広告が多くなってしまいます。短期的には売上が伸びますが、やはり中長期的に見ると、徐々に獲得顧客は減っていきます。

歴史のある大手企業は、自社ブランドイメージの低下を最も恐れます。これまでに構築してきたイメージが崩壊すると、再構築には多大な時間とコストを要します。そのため、流行に乗じたキャッチコピーなど、とがった広告は控えざるを得ません。

ブランド・プロデュース思考
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ですがその姿勢が、結果的にブランドのイメージをより強固にしていきます。さまざまな方法でていねいにブランドのプロミスを伝え続けることで、やがてメンタル・アベイラビリティのある状態が構築されていくのです。資金的に余裕がある大企業だからこそ、中長期的な視点で大切にブランドを育んでいく戦略をとれるという面もあります。

フィジカル・アベイラビリティとメンタル・アベイラビリティを、それぞれどういったバランスで狙っていくのか。自社のマーケティング戦略を考える際、しっかりと意思を持って決めておきたいポイントです。当然、その判断基準は「自社のブランドにはどちらの手法が合うか」です。一貫性を損なわない方法をとるようにしましょう。

工藤 一朗 株式会社ライフェックス代表取締役

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くどう いちろう

大手総合通販企業の株式会社ベルーナへ入社。当時、最年少で営業部長を経験、29歳で独立し株式会社ライフェックスを設立。EC・通販 企業のブランディング、マーケティング、CRM までを一気通貫でご支援し、その数300 社以上。日本CRM協会役員を歴任し、現在に至る。

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