社員の意識を変えた「しくじり社長」の面白失敗談 失敗を茶化して弱みを見せることのすごい効果

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ジャンの説明を聞きながら、助手たちの不安を感じ取った博士は、少しのあいだ黙っていた。やがて、いたずらっぽい笑みを浮かべて言った。「ピンキーの仕業かな?」

チームのみんなは戸惑った。「ピンキーって誰ですか?」

「ピンキーは、この研究所をうろちょろしてる厄介なバクテリアだよ」博士は言った。「私たちを油断させるまいと思って、たまにひょっこりサンプルに出没するんだ」

「それを聞いて、みんな笑っちゃいました」ジャンは語った。

「それで、不安が払拭されたんです。みんなすぐに気を取り直して、解決策を探るためにブレインストーミングを始めました」

笑いは私たちを立ち直らせてくれる

失敗したときでもユーモアを発揮すれば、気持ちの切り替えに役立つだけでなく、失敗から学んで立ち直りやすくなるため、失敗から再チャレンジまでの時間を短くすることができるのだ。

リーダーシップ専門家のダナ・ビルキー・アシェルはこう記している。「学ぶことができなければ、人びとを率いることはできない。ところが、新たな洞察を得て真の成長を遂げたいと思っても、みんなを失望させたくないという不安に襲われたとたんに、新しい情報を取り入れたり、処理したりすることができなくなってしまう。だが笑いこそ、私たちを立ち直らせてくれるのだ」

(翻訳:神崎朗子)

ジェニファー・アーカー スタンフォード大学ビジネススクール教授、行動心理学者

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Dr. Jennifer Aaker

スタンフォード大学ビジネススクールのゼネラル・アトランティック・プロフェッサーで行動心理学者。目的と意義が個人の選択に及ぼす影響や、テクノロジーが人間の幸福や企業の成長にプラスの影響をもたらす可能性に関する研究の第一人者。博士の研究は『エコノミスト』『ニューヨーク・タイムズ』『ウォールストリート・ジャーナル』『アトランティック』『サイエンス』などの主要紙誌でも紹介されている。Distinguished Scientific Achievement Award(科学部門顕著業績賞)、MBA年間最優秀教授賞などを受賞。

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ナオミ・バグドナス スタンフォード大学ビジネススクール講師、エグゼクティブ・コーチ

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Naomi Bagdonas

スタンフォード大学ビジネススクール講師、エグゼクティブ・コーチ。組織のリーダーやフォーチュン100社、非営利組織などに向けたインタラクティブなセッションを促進し、エグゼクティブやセレブリティが『サタデー・ナイト・ライブ』や『トゥデイ』等の番組に出演する際の指導も行っている。〈アップライト・シチズンズ・ブリゲード・シアター〉で正式なトレーニングを受けたバグドナスは、劇場の舞台に立ってコメディーを実演し、サンフランシスコ郡刑務所では、レジリエンスを高めるための即興コメディーを教えている。

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