日本で働いた外国人社長「日本の就活」への違和感 1日で終わる「インターンシップ」の意味は

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お小遣い稼ぎについて、日本の大学生はとにかくアルバイトに熱心ということをよく耳にします。バイト先でお金を稼ぐと、その間に必要なスキルも身についてきます。まさにこの感覚がアメリカでのインターンシップですね。

日本の大学生のバイトは就職とリンクしていない

ただ日本の大学生のバイトは就職とリンクして考えられていないようです。せめて就職に関連する業界でバイトすれば卒業後に即戦力として活躍できる素地ができるようにも思いますが、なかなか難しいのでしょうか。

実はアメリカでは大学生がインターンからそのまま就職するため、大学と同じエリアに拠点を構える企業が多くあります。

例えばスタンフォードやUCバークレーのような工学系の有名大学があるカリフォルニア州のベイエリアにはハイテク企業が集中するシリコンバレーがありますし、私の前職であるレノボのあるノースカロライナ州ローリーにはデューク大学があり、その周辺には製薬会社やIT系の企業が集中しています。

このように、大学のある街には企業がオフィスを構え、インターン制度を使いながら優秀な人材を獲得しています。

企業城下町と言う言葉が日本にありますが、アメリカでは「大学城下町」とでも言うべき構造があります。こうした構造があるため、それぞれの地域を代表する大学に行けば有力企業に就職するチャンスもあるのです。

ひるがえって日本の状況を見ると、大学は各地方に国立大学もあり、優秀な私立大学もあるのですが、大学と結びつきの強い企業が必ずしもその地域に多くあるわけではありません。大学生に人気の企業の多くは東京や大阪といった大都市圏に集中しています。日本社会が今抱えている経済の地域格差は、こうした点も原因の1つなのかもしれませんね。

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