上記2つの理由により、アメリカからどんどんドルが出ていったのです。諸外国はドルの過剰供給を不安視し、金本位制に基づき金との交換を進めました。その結果、アメリカが保有していた金の量が減ってしまったのです。
基軸通貨であるアメリカドルの信用が揺らぎ、ブレトン・ウッズ体制の継続は不可能となりました。その結果、1971年8月にニクソン大統領が「金とドルの交換停止」を発表(ニクソンショック)。それまでの固定相場制は崩壊し、同年12月に新しい通貨体制(スミソニアン体制)が採用されました。
狙いは、ドル安によるアメリカの輸出増加・外貨獲得です。日本円の価値も、1ドル360円から308円まで上昇しました。しかし、スミソニアン体制は長続きしません。1973年以降、日本を含む各国は「変動相場制」に移行しました。
揺れ動く通貨価値。お金の価値の決まり方
変動相場制に移行し、通貨の価値は常に変動するようになりました。では、変動相場制においては通貨の価値はどのように決まるのでしょうか。
答えは、市場原理。すなわち需要と供給です。
多くの人が必要としている通貨の価値は上昇し、逆に魅力のない通貨の価値は下落します。グローバル化した社会では貿易や投資などさまざまな目的で、国境を越えるお金の取引が日常的に行われています。お金のやり取りは主に銀行の「決済機能」を使って行われており、銀行間で異なる通貨をやりとりする「外国為替市場」が形成されています。
東証プライム市場の取引高が1日250~350億米ドルであるのに対し、外国為替市場の取引高は1日約6兆米ドルと桁違いの金額になります。このように莫大な金額が取引されるなかで、金融政策や経済状況、企業の業績などのさまざまな要素が交錯しながら通貨の価値が決定されていくのです。
外国為替市場で取引を行うには、いかに速く正確な情報を手にできるかが大変重要になるのです。
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