不正絶えぬ政務活動費、ランキングで見る緩い実態 私的な旅行や飲食に使う例が後を絶たない背景

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演説をする政治家
政務活動費の情報公開度から見えてきたこととは?(写真:maruco/PIXTA)
政務活動費は、議員の調査研究などに必要な経費であり、公金を原資として各議員に支給されている。ところが、私的な旅行や飲食などに使う例が後を絶たず、監査請求や裁判で違法認定され、返還命令が下ったケースも数多い。こうした問題の根底には、使途の透明化が遅々として進んでいない実態がある。
「政務活動費の情報公開度」チェックを続けている全国市民オンブズマン連絡会議の最新調査は、またもその後進性を浮き彫りにした。「第二の議員歳費」とも呼ばれる政務活動費。その透明化の状況は――。

政務活動費をめぐる不正は止むことがない。2014年には兵庫県議が東京や博多、城崎温泉などに1年間で195回もの日帰り出張をしたとして、約300万円の支給を受けていたことが明るみに出て、大問題となったことがある。釈明会見で号泣する映像が全国に流れたため、記憶している方も多いだろう。

富山市議会では2016年に政務活動費の不正利用が次々と明らかになり、連鎖的に14人もの議員が辞職する事態になった。地元メディアが情報公開制度を使って関係書類を入手し、それぞれの支出が適正かどうかを調べた結果、領収書の捏造や改ざんが相次いで発覚した結果である。

また、山形県議会で議長経験があり、全国都道府県議会議長会の会長も務めた山形県議会の元議員は今年6月、政務活動費576万円を詐取した罪で懲役1年6カ月(執行猶予3年)の有罪判決を受けた。勤務実態のない事務員に月給を支給していたとする架空の領収書を偽造したという悪質さで、裁判では「自由に使える金がほしかった。不正受給した政務活動費は私的な飲食や旅行に使っていた」と述べたという。

政務活動費の使途公開が進まない地方議会

政務活動費とは「議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費」(地方自治法第100条第14項)を指す。前身の政務調査費は2001年施行の改正地方自治法に盛り込まれ、各地方議会で予算化が開始。2012年の同法改正で政務活動費と名称が変更になり、同時に従来の「調査研究」だけでなく、「その他の活動」も使途に含まれるようになった。

「政務活動費については、その使途の透明性の確保に努める」(同第16項)とされているものの、全国の地方議会では政務活動費の使途公開がなかなか進まず、「透明性の確保」にはほど遠い実態が続いている。

兵庫県議や富山市議、山形県議などのように不正受給が引きも切らない最大の理由の1つは、関係書類が市民の目から隠され、遠ざけられているためと言っていい。

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