不正絶えぬ政務活動費、ランキングで見る緩い実態 私的な旅行や飲食に使う例が後を絶たない背景

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全国市民オンブズマン連絡会議によると、これらの評価基準はかなり緩いという。例えば、「活動報告書」「視察報告書」の内容については、いっさい評価の対象にしていない。A4の書類1枚だけであろうと、双方が同じコピーであっても、ネットで公開していれば、10点満点としたからだ。

この調査をまとめたNPO法人・市民オンブズマン福岡の児嶋研二代表幹事は次のように指摘する。

「50点という点数は、領収証を原本で提出し、閲覧ができ、会計帳簿を提出、活動報告書・視察報告書を公表、マニュアルをネット公開していれば獲得できる点数です。50点も取れないということは、基本的な情報の作成すら義務付けていないということ。政務活動費の不正がこれだけ多くの議会で問題となり、市民の関心が高いにもかかわらず、50点も取れない議会は落第というほかはありません」

政令市のトップは静岡市、最下位は横浜市・名古屋市

次に政令市20市のランキングを見てみよう。

(注)「領収書」項目の「原本提出など(15点)」は、「領収書を原本提出している(7点満点)」「支払先が個人の場合に個人名を公開(5点満点)」「領収書の閲覧に情報公開請求が不要(3点)」の合計。各項目のゼロ点は赤字で表示
(出所)全国市民オンブズマン連絡会議「政務活動費 情報公開度調査」。一部をフロントラインプレスで加工

公開度が最も高い静岡市は97点で、ほぼ満点に近い。2位の京都市、3位の堺市、4位の新潟市も90点以上という高評価だった。

一方、最下位は、横浜市と名古屋市がともに12点という低レベルで並んだ。領収書や会計帳簿といった重要書類をまったくネットで公開しておらず、閲覧するにはわざわざ議会事務局まで足を運ぶ必要がある。

このネット時代に有権者にそこまでさせる議員の感覚とは、いったい何なのだろうか。名古屋市は6年連続の最下位で、2019年には議会運営委員会が「可及的速やかにネット公開を行う」と取り決めたが、実際は何も進んでいない。

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