アニサキスが増えた原因は諸説ある。2012年に法律が改正され、アニサキスによる食中毒の報告が義務付けられたからとか、低温流通技術が発達したからだといわれている。また、アニサキスの最終宿主はクジラなどの海洋ほ乳類だ。近年、クジラの数が増えていることも、アニサキスによる食中毒が増えた原因なのではと指摘する専門家もいる。
アニサキスが発生すると営業停止処分となり、その後の集客に与える影響も大きい。だからこそ細心の注意が必要だ。回転寿司各社は専用の機器を導入したり、最後に職人が包丁を入れたりして、対策を講じている。
DX化が人材不足解消のカギを握る?
ただ、スタッフの業務負担が増えると、そうした対応を取るのが難しくなってしまう。スシローがDXを進めている背景には、そうした負担を軽減させ、価値を生み出す業務に集中してもらう狙いもある。くら寿司も人工知能(AI)を用いた仕入れ体制を構築するなど、DX推進には積極的だ。
テクノロジーの活用が進むと人は人しかできない業務に集中できるので、結果として人件費を抑えることができる。すると店舗に必要な人材が減った分、出店のペースを上げやすくなり、売り上げの最大化にも結びつく。
かっぱ寿司もDXの推進を行っているものの、先行する企業と比べると、まだまだ物足りないのが現状だ。ここから競争力を高めるためDXを推進し、より優秀な人材を獲得するために給与も上げるなど、ここでも高い壁が立ちはだかっている。
かっぱ寿司の凋落は、ここ1、2年で起きた問題ではない。数年かけてさまざまな課題が大きく膨らみ、今回の社長の逮捕という事態につながっている。その分、復活までの道のりは遠いかもしれない。
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