かっぱ寿司社長逮捕が転職者に他人事ではない訳 前の職場で驚かれた後で捕まらない為の転職ルール

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かっぱ寿司の看板
「彼が社長!あいつが役員?」と前の勤務先で騒がれた後に迂闊な行動をすると大きなリスクになりえます(東洋経済オンライン編集部撮影)

日本でも転職が当たり前の時代になってきました。転職サービスを運営する会社のテレビCMをしょっちゅう見かけますし、そうした企業の成長が著しいのは転職市場の拡大を示しています。

競合他社に転職する場合も少なくはありません。その中には、前にいた会社の同僚から、

「えっ、あいつが役員?」

と羨まれるほどランクアップして転職する人が実際にいます。

転職で営業秘密の持ち出しが問題になることも

私が知っている限りでは大手企業がその業界に本格参入しようとしてうまくいっていないケースや、ファンドなどに買収されて株主が変わり前経営陣を刷新しているケースなどでそうした例をよく見かけます。

そしてこういうケースで疑われるのが営業秘密の持ち出しです。もちろん大半の人はクリーンにやっているのですが、たまに一線を越える人が出てきます。

かっぱ寿司を運営するカッパ・クリエイトの田邊公己社長(46)が逮捕されるというニュースが入ってきました。田邊氏はかつて同業である「はま寿司」の親会社となるゼンショー(現ゼンショーホールディングス)へ1998年に入社。はま寿司の取締役を2014年から2017年にわたって務め、ジョリーパスタやココス・ジャパンなどゼンショーグループの会社の社長を歴任して、競合のカッパ・クリエイトには2020年11月に顧問で移り、同12月に社長となっていました。

報道によれば警視庁は不正競争防止法違反容疑で田邉社長と関係者を逮捕し、法人としてのカッパ・クリエイトも書類送検する方針だと言います。この事件では店舗の売り上げ情報と仕入れ情報の持ち出しが問題になったようです。

外食産業の場合、どの食材をどの仕入先からいくらで仕入れているのかは競争相手にとっては喉から手が出るほど欲しい情報です。特に相手が急速に業績を伸ばしているはま寿司ですから、

「あのネタはどうやって全店舗分、あの価格で調達しているんだろう?」

という情報については当然興味津々です。

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